松尾寺 (舞鶴市)

松尾寺 - 京都府舞鶴市に佇む真言宗の名刹

概要

松尾寺（まつのおでら）は、京都府舞鶴市松尾に位置する真言宗醍醐派の仏教寺院です。青葉山という名の山の中腹に位置し、標高は250メートルに達します。この寺院は、西国三十三所の第29番札所であり、本尊には馬頭観音菩薩が祀られています。また、松尾寺の本尊にまつわる真言は「おん あみりと どはんば うん はった そわか」で、信者たちの間で広く知られています。

歴史

松尾寺は、和銅元年（708年）に創始されたとされています。この寺院の創立者である威光上人は、唐から渡ってきた僧侶であり、青葉山の双耳峰を見た際に、唐の霊験のある馬耳山を思い起こしました。彼は大樹の下で馬頭観音を感得し、草庵を結び、この地に馬頭観音像を安置したことが始まりと伝わっています。

元永2年（1119年）、当時の鳥羽天皇が行幸し、寺院に対して約4千石の領地を与えました。このことにより、松尾寺は繁栄の時代を迎え、65の寺坊を有するまでに成長しました。しかし、歴史の中で何度も火災に遭遇し、その度に細川幽斎や京極家などの支援によって復興が行われました。現在の本堂は、牧野英成によって享保15年（1730年）に再建されたものです。

本尊

松尾寺の本尊である馬頭観音坐像は、西国三十三所の中で唯一の馬頭観音であり、秘仏として大切にされています。この馬頭観音は巡礼者の信仰の中心であり、2008年から2010年にかけて、花山法皇の一千年忌を記念して特別な開帳が行われました。その際、松尾寺の本尊の開帳は1931年以来77年ぶりのことで、多くの巡礼者が訪れました。

境内の特徴

松尾寺には、江戸時代に建立された本堂や経蔵、仁王門など、数多くの歴史的文化財があります。本堂は京都府の指定有形文化財であり、経蔵も同様に指定されています。また、銀杏の木は、元永2年に鳥羽天皇が植えたもので、舞鶴市の天然記念物として保護されています。境内には美しい庭園があり、ここも舞鶴市の名勝に指定されています。

文化財

松尾寺には、重要文化財が数多く存在し、その中には鎌倉時代に作られた木造阿弥陀如来坐像やいくつかの絹本著色の仏像があります。特に、中でも注目されるのは12世紀作の国宝「絹本著色普賢延命像」で、美福門院の持念仏として伝わっています。さらに、多くの文化財が地域の歴史と文化を伝えています。

アクセス

松尾寺へのアクセスは、電車の場合は小浜線の松尾寺駅から徒歩で約40分の距離です。また、自動車を利用する場合は、国道27号の松尾寺口交差点から府道564号に入ると比較的アクセスしやすいです。地元の自然を感じながら訪れるのに最適な場所です。

まとめ

松尾寺はその歴史的な背景と、多くの文化財を有する名刹として、訪れる人々に深い感銘を与え続けています。京都を訪れた際には、ぜひ立ち寄り、馬頭観音の神秘的な力に触れてみてはいかがでしょうか。

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