松尾神社 (横浜市)

松尾神社の概要

松尾神社は、神奈川県横浜市戸塚区上矢部町に位置する神社です。創建には諸説あり、京都の松尾大社の分霊を勧請して文暦元年（1234年）に創建されたという説と、源頼朝が建立したという説が伝えられています。弘治年間（1555年～1558年）に現在の場所に移され、かつては「田中大明神」や「田中岡の神社」と呼ばれていました。

江戸時代になると、大山詣りが盛んになり、柏尾道を通る旅人たちがこぞって参拝するようになりました。明治時代初頭には、旧社格制度のもとで丹後山神明社（現在は松尾神社の兼務社）が村社に昇格したため、上矢部村の総鎮守としての役割は一時的に神明社に移りました。しかし、平成27年（2015年）に神明社から本務機能が移され、現在に至っています。

御祭神

松尾神社の主祭神は、大山咋神（おおやまぐいのかみ）です。大山咋神は、古くから山林の地主神として信仰を集めており、建築・土木、製鉄・冶金、紡績・織布、発酵・醸造など、さまざまな産業の守護神としても崇められています。全国の松尾神社や日枝神社の主祭神として祀られ、古くは秦氏が氏神として奉斎してきました。

大山咋神の御神使は亀と鯉です。これは、大山咋神が保津川を遡って山城國・丹波國を開拓された際、急流では鯉に乗り、渓流では亀に乗って進まれたという故事に由来しています。

また、境内には末社として以下の三神が祀られています。

地神：大地を司り、守護し、豊穣をもたらす神
疫神：疫病から人々を守護する神
疱瘡神：天然痘から人々を守護する神

境内

松尾神社の境内は、静かで落ち着いた雰囲気に包まれています。主な施設は以下の通りです。

社殿：文化4年（1807年）に再建されたもので、拝殿は昭和42年（1967年）に改装されています。
末社：文化4年（1807年）に勧請されました。
蚕霊碑：大正13年（1924年）に再建されたもので、かつて上矢部で養蚕が盛んだったことを物語っています。
御神木：樹齢を重ねた2本の公孫樹（イチョウ）と1本の欅は、横浜市の指定保存樹木です。
稲荷社：寛永14年（1637年）前後に奉祀されたと伝えられ、近く正式に鎮座する予定です。
御神井：手水舎と共に整備が予定されています。
石鳥居
手水舎：整備が予定されています。
白梅と紅梅：参道左側に見ることができます。

年中行事

松尾神社では、年間を通じて様々な祭典や行事が行われています。

歳旦祭：1月1日
元始祭：1月3日
例祭：3月25日（またはそれに近い日曜日）
御田植祭：6月頭頃
夏越の大祓：6月30日
抜穂祭：9月末頃
新嘗祭：11月23日
年越の大祓および除夜祭：12月31日

交通と周辺環境

松尾神社へのアクセスは、戸塚駅東口から神奈川中央交通バス上矢部インター行きに乗車し、上矢部バス停で下車後、徒歩約7分です。神社の裏手には公園があり、地域住民の憩いの場となっています。周辺には団地や民家が点在し、近くには阿久和川が流れ、畑地や丘陵も見られます。

脚注

[1] 横濱戸塚・職能祖神 松尾神社 ウェブサイト
[2] 松尾神社公式ツイッターアカウント　※毎月の開放日を確認することができます
[3] 松尾神社（神奈川県神社庁）

関連項目

* 松尾神社

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