松山市立三津浜小学校

松山市立三津浜小学校

愛媛県松山市に所在する松山市立三津浜小学校は、地域の中心部として栄える三津浜地区に位置する公立小学校です。明治時代に開校した長い歴史を持つ学び舎であり、地域の発展とともに歩んできました。

規模と特色

本校は、かつては在籍児童数が2000名を超える時期もあり、非常に大規模な小学校として知られていました。しかし、社会情勢の変化に伴い児童数は減少傾向にあり、2014年4月時点では240名の児童が在籍する、地域に密着した落ち着いた規模の学校となっています。

学校生活における服装に関しては、特別な行事などを除き、原則として私服での登校が認められています。一方で、体育の授業などで使用するジャージについては、学校が指定する品が定められています。

歴史を伝える「お茶屋井戸」

松山市立三津浜小学校の敷地内には、学校の長い歴史と地域の由緒を示す貴重な史跡が現存しています。それが「お茶屋井戸」と呼ばれる井戸です。江戸時代に松山藩の藩主が、江戸へ向かう参勤交代の途中でこの地に立ち寄り、休息を取った際に利用したと伝えられています。この井戸は、学校が立つ場所が古くから交通の要衝であり、歴史的な由緒を持つ土地であることを今に伝えるシンボルとなっています。

沿革

学校の礎が築かれたのは1887年（明治20年）4月で、「三津浜尋常小学校」として開校しました。その後、1893年（明治26年）4月には高等科を併設し、校名は「三津浜尋常高等小学校」と改称されます。地域の教育需要の高まりを受け、1914年（大正3年）2月には、近隣の広町にあった尋常小学校を統合しました。

1926年（大正15年）8月には「三津浜第一尋常高等小学校」と再び名を改めますが、翌年の1927年（昭和2年）3月には、不運にも火災により校舎の大部分を焼失するという大きな被害に遭います。しかし、地域と学校関係者の尽力により復旧は進められ、1928年（昭和3年）3月には新たな場所に校舎が新築され、移転を果たしました。

行政区域の変更に伴う改称も経験しています。1938年（昭和13年）4月には「三津浜町立梅田尋常高等小学校」となり、1940年（昭和15年）8月に温泉郡三津浜町が松山市へ編入されたことで、「松山市立梅田尋常高等小学校」と改称されました。太平洋戦争中の1941年（昭和16年）4月には、国民学校令に基づき「松山市立梅田国民学校」となります。

終戦後の教育改革により、1947年（昭和22年）4月には「松山市立梅田小学校」に改称され、さらに同年6月には現在の「松山市立三津浜小学校」という名称に定着しました。

戦後の復興期を経て、教育環境の整備も進められました。1953年（昭和28年）3月には新校舎が建設され、学習環境が刷新されました。体育施設も拡充され、1974年（昭和49年）6月には水泳学習のためのプールが竣工。さらに、1982年（昭和57年）3月には現在の主要な校舎が落成し、教育活動の拠点としての機能が強化されました。

そして、1987年（昭和62年）2月には創立100周年を迎え、記念式典が盛大に挙行され、学校の長い歴史に新たな一ページを刻みました。

通学区域

松山市立三津浜小学校が主たる通学区域とするのは、以下の町域です。

梅田町
神田町
須賀町
住吉1丁目、住吉2丁目
松江町
三津1丁目、三津2丁目、三津3丁目
三津ふ頭
元町
若葉町

本校を卒業した児童の多くは、地域にある松山市立三津浜中学校へ進学する流れとなっています。

周辺環境

学校の周囲には、地域住民の生活を支える様々な施設が立地しています。行政サービスの窓口である松山市三津浜支所や、地域の安全を担う松山西警察署、そして卒業生の進学先となる松山市立三津浜中学校などが学校に近接しています。その他にも、三津消防署や松山梅田町郵便局といった公共施設も利用しやすい場所にあります。また、歴史的なスポットとして辻井戸や厳島神社なども点在しており、地域の歴史や文化に触れることができる環境です。交通の便では、愛媛県道22号伊予松山港線が近くを通っています。

アクセス

伊予鉄道高浜線の三津駅からは、学校まで南西方向へおよそ700メートルの距離にあり、徒歩でアクセスすることが可能です。

著名な出身者

松山市立三津浜小学校からは、これまで各界で活躍する多くの著名人を輩出しています。

長榮 周作（パナソニック株式会社特別顧問）
江刺 伯洋（南海放送アナウンサー）
楠原 千秋（プロビーチバレー選手）
井上 翔太（プロサッカー選手）
鶴岡 来雪（柔道選手）

（敬称略）

関連項目

三津浜町
愛媛県小学校一覧

外部リンク

* 公式サイト

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