松川橋 (福島市)

福島市を繋ぐ松川橋：歴史と交通の要衝

福島県福島市に位置する松川橋は、市街地の北側を流れる一級水系、阿武隈川水系の松川に架かる重要な道路橋です。国道4号がこの橋を通り、福島市の松山町と本内字松川畑を結びつけています。松川に架かる橋の中では最も下流に位置し、その存在は地域の交通において不可欠です。

橋の概要

現在の松川橋は、上り線が1973年、下り線が1976年に建設された鋼桁橋で、それぞれ片側2車線の道路を支えています。橋の全長は169.6m、幅員は22.53mで、5径間鋼単純合成鈑桁橋という形式を採用しています。交通の要所であるため、橋の南詰と北詰は十字路の信号交差点となっています。しかし、かつては下り線の北詰に右折レーンがなく、上り線の南詰も右折レーンが短いため、右折待ちの車両が本線上に滞留し、追突事故や急な車線変更による事故、そして渋滞が頻発していました。

交通安全対策

この問題を解決するため、2013年11月13日から2014年8月5日にかけて、両方向ともに延長30mの右折レーンを確保する工事が行われました。この工事では、コンクリート製の橋脚が左右方向に拡幅され、橋桁が中央に1本追加されました。さらに、床版を拡幅し、上下線の間にあった隙間を埋めることで、右折レーン増設のためのスペースが確保されました。これらの改善により、松川橋の交通安全性が大幅に向上しました。

歴史

松川橋の歴史は古く、奥州街道における最初の架橋は1706年（宝永3年）頃に板橋として建設されたと伝えられています。1908年には信達軌道（後の福島交通飯坂東線）が開業し、鉄道と道路の併用橋となりました。橋の南側には松川橋グランド前電停が設けられ、福島駅からの区間列車の折り返し地点として利用されていました。現在でも松川橋の南側の国道4号上にはグランド前バス停が設置されており、その名残を留めています。1932年4月7日には、全長165m、幅員7.5mの15径間RC連続桁橋として架け替えられました。その後、国道4号のルート変更に伴い、約100m下流に新たな橋が建設され、旧道橋は鉄道橋として使用されました。旧道は現在の市道60014号松山町4号線、市道50500号松川畑穴田線にあたり、両市道の間に橋梁が架けられていましたが、現在はすべて撤去されています。

周辺情報

松川橋の周辺には、福島市立福島第三中学校、福島市信夫ヶ丘競技場、福島市信夫ヶ丘球場などの施設があります。これらの施設へのアクセスにも、松川橋は重要な役割を果たしています。

隣の橋

松川における松川橋の隣の橋は、上流側に信夫大橋があります。

松川橋は、その長い歴史の中で、地域の交通を支え、人々の生活を繋いできました。現在の橋は、交通安全対策が施され、より安全で円滑な交通を可能にしています。福島市を訪れる際には、ぜひ松川橋を渡り、その歴史と役割を感じてみてください。

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