松平宗発

松平宗発（まつだいら むねあきら）は、江戸時代後期の武士であり、丹後国宮津藩の第5代藩主を務めた大名です。本庄松平家8代当主でもあります。老中という幕府の要職にも就き、その生涯は政治と藩政に深く関わっていました。

宗発は、第3代藩主・松平資承の三男として生まれました。兄である第4代藩主・松平宗允の養子となり、その跡を継いで藩主となりました。正室には、牧野康儔の娘を迎えています。

彼の経歴は、奏者番に始まり、寺社奉行、大坂城代、そして京都所司代と、幕府の要職を歴任しました。これらの役職を通じて、宗発は幕府政治の中枢で活躍しました。特に大坂城代、京都所司代は幕府の重要な拠点を守る役であり、彼に対する幕府の信頼の厚さがうかがえます。

藩主としては、宗発は藩の財政再建に尽力しました。そのために打ち出したのが「万人講」という政策です。これは、領民に毎日3文の貯蓄を義務付け、それを毎月庄屋が徴収して藩に納めさせるというものでした。しかし、この政策は領民の大きな反発を招き、各地で打ち壊しが起こるなど、混乱を招きました。結果として、万人講は文政2年（1822年）に廃止を余儀なくされました。

宗発の死後、家督は養子の松平宗秀が継ぎました。宗秀は、宗発の兄である宗允の三男で、宗発にとっては甥にあたります。


略歴
1782年（天明2年）：誕生
1808年（文化5年）：宮津藩相続
1809年（文化6年）：縁組
1812年（文化9年）：奏者番
1818年（文政元年）：寺社奉行兼任（8月24日）
1826年（文政9年）：寺社奉行免、大坂城代就任（11月23日）
1828年（文政11年）：大坂城代免、京都所司代就任（11月22日）
1831年（天保2年）：京都所司代免、老中就任
1840年（天保11年）：卒（享年59）


系譜
父：松平資承（1749-1800）
母：不詳
養父：松平宗允（1780-1816）
正室：牧野康儔の娘

生母不明の子女
長男：松平宗篤
次男：那須資懐 - 那須資礼の養子
三男：村上常要
四男：戸川安行 - 戸川安民の養子
女子：西尾忠固正室
女子：洵子 - 松平忠栄継室
女子：青山幸礼正室
女子：松平信宝継室
女子：安藤信正正室
女子：安部信任正室
女子：久野純固室
女子：中西元良室

養子
男子：松平宗秀（1809-1873） - 松平宗允の三男

松平宗発は、幕府の要職を歴任し、藩主としては財政改革に尽力しましたが、その政策は領民の反発を招き、必ずしも成功したとは言えませんでした。しかし、彼の政治手腕やその生涯は、江戸時代後期の歴史を語る上で重要な要素の一つです。

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