松平忠俔

松平忠俔：島原藩を立て直した若き藩主

松平忠俔（まつだいら ただみ）は、江戸時代中期の大名であり、肥前国島原藩の第3代藩主です。深溝松平家の8代目当主にあたり、官位は従五位下・主殿頭でした。その短い生涯の中で、藩政の改革に尽力しました。

生涯

正徳元年（1711年）12月1日、松平忠俔は、島原藩の家老を務めた松平勘解由家の当主・松平次章の四男として生まれました。幼名は奥平芳喬と名乗りました。第2代藩主・松平忠雄には実子がおらず、芳喬の実兄である忠救（定方）が養子に迎えられました。その後、芳喬は松平勘解由家の当主となった松平広教（忠救の子）の補佐を命じられ、松平姓を許されて図書と名乗るようになりました。

享保19年（1734年）に忠救が早世したため、芳喬は享保20年（1735年）5月16日に忠雄の養子となり、12月2日に忠雄の隠居により家督を継承しました。この際、従五位下主殿頭に叙任され、名を忠長と改め、後に忠俔と改名しました。

藩主となると、忠俔は藩政の改革に乗り出します。先代の忠雄の時代に権勢を振るった黒川政勝を処刑し、綱紀粛正を図りました。また、家臣への貸付金の免除といった救済策も実施しました。しかし、元々病弱であったため、元文3年（1738年）3月21日に吐血し、28歳という若さで亡くなりました。跡は養子の忠刻が継ぎました。

系譜

実父: 松平次章
養父: 松平忠雄
婚約者: 大久保忠方の娘
養子: 松平忠刻（松平勘敬の次男）

人物

松平忠俔は、藩政の改革に意欲的に取り組みましたが、若くして亡くなったため、その手腕を十分に発揮できたとは言えません。しかし、彼の綱紀粛正や救済策は、島原藩の立て直しに貢献したと考えられています。

まとめ

松平忠俔は、島原藩の藩主として、短いながらも藩政の改革に尽力した人物です。その功績は、島原の歴史に深く刻まれています。

参考文献
『深溝世紀　第11』
ふるさと再発見「第7代島原城主　松平忠俔(ただみ)公（1711-1738）」 - 島原市

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