大久保忠方

大久保忠方

大久保忠方（おおくぼ ただまさ）は、江戸時代中期の大名であり、相模国小田原藩の第3代藩主。小田原藩大久保家の5代目にあたります。官位は従四位下・大蔵少輔、大炊頭。

生涯

元禄5年（1692年）6月15日、4代藩主・大久保忠増の六男として江戸で生まれました。兄が早世したため世子となり、正徳3年（1713年）に父の死去により家督を継承しました。この時、弟である宇津教保に6000石を分与しています。

藩財政は逼迫しており、父のように幕閣入りはせず、倹約による財政再建に尽力しました。しかし、物価高騰により領民は困窮し、小作人が増加して農業は衰退。小田原宿助郷騒動が起こるなど、藩内は混乱が続きました。財政難も解消には至りませんでした。

享保17年（1732年）10月3日、江戸で病死。享年41歳。跡は長男の忠興が継ぎました。

系譜

父母
大久保忠増（父）
石井氏 – 側室（母）
松平忠弘の娘（養母）
正室
柳沢幾子 – 柳沢吉保の養女、野宮定基の娘
側室
志摩氏
子女
大久保忠興（長男）：生母は幾子（正室）
大久保忠紀
大久保忠章
石川総候正室
松平忠俔婚約者

人物

大久保忠方は藩主として、財政再建を目指しましたが、当時の社会情勢や領内の混乱により、その志を十分に果たすことができませんでした。しかし、その倹約の精神や藩政への真摯な姿勢は評価されるべきでしょう。若くして亡くなったこともあり、後世への影響は限定的ですが、小田原藩の歴史において重要な人物の一人です。

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