松平忠利 (久松松平家)

松平忠利について

概要

松平忠利（まつだいら ただとし）は、江戸時代前期に活躍した旗本であり、通称は采女、号は意閑です。彼は、1605年に下総国関宿藩の2代藩主である松平忠良の庶長子として誕生しました。母は忠良の側室で、彼の生涯は日本の歴史の中で独特な位置を占めています。

人生の始まり

忠利は、幼少期から多くの名声を持つ家系の一員として教育を受けました。元和9年（1623年）には、2代将軍の徳川秀忠が上洛した際に、大垣城での拝謁を経て、時服五領を賜りました。この出来事は、彼にとって重要な一歩となります。寛永元年（1624年）、父の死去により、弟である憲良が家督を相続することとなりますが、幼いために家の運営は不安定な状況に陥ります。

信濃への転封

憲良の家督相続後、家の措置として忠利は信濃国に転封され、小諸藩で3000石、祢津知行所として2000石を与えられることとなりました。この分知については、諸説が存在しますが、久松松平家が小諸藩主として在位していた時期には、忠利の屋敷が小諸城内にあったとされています。陣屋は初めは東上田に設けられましたが、その後祢津（現・東御市）に移転されました。

公務と業績

寛永年間には、忠利は江戸城西の丸の石垣や惣堀の普請を承りました。これらの工事は、彼の職務の一部として迫られたものであり、江戸城の防衛や発展に寄与しました。彼は多くの公務を通じてその能力を示し、信頼を集めていきます。

晩年と死

忠利は延宝6年（1678年）7月10日に致仕し、その後の元禄元年（1688年）に江戸で亡くなりました。享年は84歳とされています。彼の法名は日潤であり、谷中の了俒寺に葬られました。

家族と子孫

忠利には二人の息子がいましたが、いずれも早世してしまいました。彼は大河内久綱の五男・忠勝を養子として迎え入れ、忠勝に娘を嫁がせることで家系をつなげました。忠利の子孫は幕末まで旗本として存続し、久松に改姓しました。

伝承

地元の東御市にある定津院には、忠利の妻が祈祷して婦人病を治したとされる巨石についての伝承が残っています。これは、忠利家の名が地元に根付いている証ともいえ、彼の影響を物語っているのです。

参考文献

• - 「寛政重修諸家譜 巻第52」

このように、松平忠利は江戸時代の中で数々の出来事に関わり、多くの家族の変化を経験しながらも、その名を歴史に刻んでいった人物であることがわかります。

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