松平忠福

松平忠福は、江戸時代中期の上野国小幡藩の第2代藩主であり、奥平松平家忠尚系の4代目にあたります。官位は従五位下、采女正でした。

寛保2年（1742年）12月26日、初代藩主・松平忠恒の長男として生まれました。明和5年（1768年）に父の死去に伴い家督を継ぎ、小幡藩の第2代藩主となりました。

忠福は藩主として、幕府の要職も務めました。安永3年（1774年）12月には奏者番頭に任じられ、天明5年（1785年）12月24日には西の丸若年寄となりました。さらに、天明6年（1786年）10月には若年寄に就任しています。

藩政においては、寛政3年（1791年）に藩校である小幡学校を創設し、藩士の教育に力を注ぎました。しかし、当時の小幡藩は財政難に苦しんでおり、領内は荒廃が進んでいました。この状況を打開するため、寛政10年（1799年）には困窮した農民を救済するための低利貸付金制度（恵民講）を設けましたが、期待したほどの効果は得られませんでした。

寛政11年（1799年）5月22日、忠福は58歳でこの世を去りました。後を継ぐはずであった世子の長男・忠房と三男・忠彊が相次いで早世したため、忠房の子である忠恵が家督を継承することになりました。

系譜

父母
父: 松平忠恒（初代藩主）
母: 津軽信興の娘
正室
歌姫：松平資訓の養女、松平資順の娘
子女
長男: 松平忠房（生母は歌姫）
次男: 高木正直の養子（生母は歌姫）
三男: 松平忠彊（生母は歌姫）
四男: 横瀬貞征（生母は歌姫）
娘:津田信久正室
娘:曲淵景露室
* 娘:曲淵景露室

松平忠福は、藩政においては学校設立や救済制度の導入など、様々な改革を試みましたが、藩の財政状況は好転せず、多くの課題を残してこの世を去りました。しかし、その功績は後世に語り継がれています。

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