松平忠恒

松平忠恒（まつだいら ただつね）

松平忠恒は、江戸時代中期に活躍した大名です。陸奥国桑折藩の3代藩主としてそのキャリアをスタートさせ、後に上野国の篠塚藩、上里見藩を経て、最終的には小幡藩の初代藩主となりました。官位は従五位下で、大蔵少輔、宮内少輔、摂津守を歴任しました。

忠恒は、忠尚系奥平松平家の3代目にあたります。この家系は、徳川家康の異父兄弟である松平康元を祖とする由緒ある家柄です。

生涯

享保5年（1720年）、桑折藩の2代藩主・松平忠暁の次男として誕生しました。兄・忠衙が早世したため、忠恒が嫡子となりました。享保19年（1734年）に叙任され、元文元年（1736年）に父・忠暁が亡くなったため、家督を継いで桑折藩主となります。

延享4年（1747年）3月には、幕府の役職である奏者番に任命され、同年7月には上野国篠塚への移封を命じられます。さらに同年9月には、寺社奉行を兼任することとなりました。寛延元年（1748年）8月には、上里見へ再び移封され、同年10月には若年寄という要職にまで昇進しました。これらの役職を歴任したことは、忠恒が幕府からの信頼も厚かったことを示しています。

明和5年（1767年）閏9月28日に小幡への移封を命じられますが、その翌年の11月8日に生涯を閉じました。跡は長男の忠福が継ぎました。

系譜

父母

父：松平忠暁（桑折藩2代藩主）
母：黒田直邦の娘

正室

津軽信興の娘

子女

長男：松平忠福（母は正室）
次男：大久保忠恕
娘：内藤信凭正室
娘：井上正定正室、後に松平乗祐の養女
娘：松平忠順室
娘：本多忠昭室
娘：桑原盛員の養女


忠恒の生涯は、複数の藩の藩主を歴任し、幕府の要職も務めた多忙なものでした。彼の業績は、江戸時代中期の政治と社会を理解する上で重要な要素と言えるでしょう。

もう一度検索