松平直之 (糸魚川藩主)

松平直之（まつだいら なおゆき）は、江戸時代中期の大名であり、越後国糸魚川藩の初代藩主として知られています。官位は従五位下・近江守でした。

生涯

天和2年（1682年）4月26日、出雲国広瀬藩主・松平近時の三男として誕生しました。宝永元年（1704年）に福井松平家の分家である松平直知が嗣子なく早世したため、その妹（養女）である亀姫の婿養子となり、家督を継承しました。

宝永2年（1705年）1月には、第5代将軍・徳川綱吉に拝謁し、同年3月には従五位下、信濃守に任じられました。さらに、宝永3年（1706年）には近江守に転任しています。

享保元年（1716年）8月には竹橋御門番を勤めました。享保2年（1717年）2月16日には、先祖の功績などが評価され、知行地のない1万俵支給から糸魚川藩主（石高1万石）となりました。しかし、その翌年の享保3年（1718年）10月6日に死去しました。享年37（満36歳没）。跡は養嗣子の直好が継ぎました。

系譜

父母：
松平近時（実父）
大竹氏 ー 側室（実母）
松平直知（養父）
正室：
亀姫 ー 松平直知の養女、松平直堅の娘（正室）
内田正衆の娘（継室）
養子：
* 松平直好 ー 旗本松平定員の長男

松平直之の時代

松平直之が糸魚川藩主となった時期は、享保の改革が始まった頃であり、藩政においても様々な課題が存在していたと考えられます。1万石という石高は決して大きくはなく、藩の財政基盤を安定させることが急務でした。しかし、藩主就任からわずか1年半後に死去したため、具体的な藩政改革の成果を上げるには至りませんでした。跡を継いだ直好は、藩政の安定化に尽力することになります。

松平直之の生涯は、大名としての期間は短かったものの、福井松平家を継承し、糸魚川藩主となるなど、激動の時代を生きた人物であったと言えるでしょう。

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