松平頼升

松平頼升（まつだいら よりのり）は、江戸時代後期の大名であり、陸奥国守山藩の6代藩主、のち知藩事を務めました。水戸支流である頼元系松平家の7代目にあたります。官位は従四位下・侍従、掃部頭、大学頭を歴任しました。

略歴

守山藩5代藩主・松平頼誠の三男として生まれました。文久2年（1862年）に父の死により家督を相続し、守山藩の藩主となりました。

元治元年（1864年）に天狗党の乱が発生すると、その影響は藩内にも広がり、動揺を招きました。しかし、頼升は家臣や領民に対し、忠孝の道を説き、冷静な対応を促すことで事態の収拾に尽力しました。

鳥羽・伏見の戦い後、情勢を鑑みて勤王論へと傾倒しました。奥羽越列藩同盟には参加したものの、出兵延期を願い出て実行には至りませんでした。新政府軍が進軍してくると、速やかに降伏し、二本松藩攻撃に加わることで恭順の意を示しました。

明治2年（1869年）には、戊辰戦争における功績が認められ、賞典禄として9300石を受領しました。同年、版籍奉還により知藩事となりますが、同年8月に病気を理由に隠居し、養子の頼之（水戸藩主・徳川斉昭の二十二男）が跡を継ぎました。明治5年（1872年）に死去。


系譜

側室：羽田氏
長女：鏘 - 松平頼策継室
側室：入間氏
次女：鐘 - 相馬充胤継室
養子
頼之 - 徳川斉昭の二十二男

松平頼升は、激動の幕末期において、藩主として難しい選択を迫られながらも、藩の存続のために尽力しました。天狗党の乱への対応や、戊辰戦争における新政府への恭順など、彼の決断は、守山藩の命運を左右するものとなりました。その生涯は、幕末の動乱を生き抜いた地方大名の姿を今に伝えています。

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