松平頼学

松平頼学

松平頼学（まつだいら よりさと）は、江戸時代後期の大名であり、伊予西条藩の第9代藩主を務めました。官位は従四位上・侍従兼左近衛権少将。

生涯

文化5年12月3日（1809年）に、西条藩の第8代藩主・松平頼啓の長男として誕生しました。

天保3年（1832年）閏11月25日、父の隠居により家督を継ぎ、藩主となりました。頼学は藩政において、『西条誌』20巻の編纂を命じるなど、文武の奨励に尽力しました。

弘化3年（1846年）には、本家に当たる紀州藩主・徳川斉順が死去した際、隠居していた先代藩主の徳川治宝は、西条藩から頼学を紀州藩主に迎えようとしました。しかし、附家老の水野忠央による治宝への中傷を交えた妨害や、幕府の強い意向などにより、清水徳川家から斉彊が藩主に迎えられることとなりました。

文久2年（1862年）11月21日、家督を五男である頼英に譲り隠居しました。そして慶応元年（1865年）8月14日に死去。享年57（満56歳没）。

系譜

父：松平頼啓（1785-1848）
母：大熊氏 - 法梁院
正室：一条通子（1806-1884） - 智月院。関白左大臣一条忠良の娘
長女：靖姫（1825-1846） - 成等院。松平頼永正室
長男：久松丸（1826-1827）
次男：銐丸（1829-1830）
三男：充千代（1832-1834）
側室：近藤氏（1815-1889） - りく。与志の方。玉蓮院
次女：粒姫（1839-1840）
四男：徳之丞（1841-1842）
六男：松平頼久（徳川茂承）（1844-1906） - 紀州藩主徳川慶福（家茂）の将軍就任に伴い、幕命により紀州藩の家督を相続し14代藩主のち侯爵。
側室：山野井氏
三女：悌姫（1841-1843）
五男：松平頼英（1843-1905） - 相続。のち子爵。
養子
男子：松平頼永（1827-1848） - 陸奥国守山藩主松平頼慎の三男。頼学の婿養嗣子。相続前に早世し、頼学の実子の頼英が相続。


松平頼学は、藩主として文化の振興に貢献する一方で、紀州藩の後継者争いに巻き込まれるなど、その生涯は決して平穏なものではありませんでした。しかし、その功績は今日まで語り継がれています。

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