松平頼慎

松平頼慎（まつだいら よりよし）は、江戸時代後期に活躍した大名であり、陸奥国守山藩の第4代藩主として知られています。水戸徳川家の支流である頼元系松平家の5代目にあたります。官位は従四位下・大学頭、侍従でした。

頼慎は、守山藩の第3代藩主・松平頼亮の次男として生まれました。母は側室の川上氏です。享和元年（1801年）に父の死を受けて家督を相続し、藩主となりました。

藩主として、頼慎は藩の経済発展に力を注ぎました。特に、菅笠、藍、紅花、養蚕などの殖産興業に尽力し、その振興を図りました。菅笠に関しては、菅笠会所を設け、生産と販売を奨励しました。また、菅笠や藍玉の代金について、前金を無利息で10年賦で返済させる制度を導入し、農民の負担を軽減し、生産意欲を高めようとしました。

文化的な活動にも熱心であり、『府臣略伝』や『守山日記後編』などの著書を残しています。これらの著作は、当時の社会情勢や藩の歴史を知る上で貴重な資料となっています。

天保元年（1830年）に死去し、跡を長男の頼誠が継ぎました。

系譜

正室：雅姫 - 徳川治保次女
側室：林氏
子女：
頼永 - 松平頼学養子
長女：高 - 藤堂高邁婚約者のち相馬益胤正室
次女：久米 - 大嶋義矩室のち大嶋義彬正室
三女：熙
長男：頼誠
次男：頼賢
四女：勝姫（清吟尼） - 徳川治紀養女、英勝寺6代住持
五女：英 - 松平正義正室
六女：綿
養女：
女子：丞 - 中山信情正室、松平保福の娘

松平頼慎は、藩政において殖産興業を推進し、文化面でも才能を発揮した人物として、後世に名を残しています。

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