松本好二
松本好二（まつもと こうじ）は、1969年9月27日に神奈川県横浜市で生まれた日本の元プロボクサーであり、現在は名トレーナーとして知られる人物です。本名を松本弘司といい、その読みは同じです。父・弘氏も元ボクサーで、東日本ウェルター級新人王に輝いており、長男である圭佑氏もまたプロボクサーとして日本およびWBOアジアパシフィックのフェザー級王座を獲得しています。松本好二氏は、自身も日本フェザー級王座に三度就き、OPBF東洋太平洋フェザー級王座も手にするなど、ボクサーとしても輝かしい足跡を残しました。
横浜高校時代には、インターハイと海邦国体でいずれも準優勝という実績を残します。両大会の決勝では、後にプロでも活躍する高橋孝治氏（沖縄県代表）に判定で敗れています。高校卒業後、同期の葛西裕一氏と共に専修大学へ進学しますが、わずか1年で中退。アマチュアでの通算戦績は37勝（21KO・RSC）6敗でした。その後、名門ヨネクラボクシングジムに入門し、プロボクサーとしての道を歩み始めます。
1989年6月27日、プロデビュー戦を5回判定勝ちで飾ります。キャリア初期にはB級ボクサー賞金トーナメント決勝で判定負けを経験しますが、1990年のA級ボクサー賞金トーナメントでは優勝を果たします。
1991年2月18日、プロ10戦目で日本フェザー級王座への初挑戦。前年のA級決勝で判定勝ちしていた渡辺司氏と、空位となった王座を争うダイレクトリマッチに臨み、7回KOで見事王座を獲得します。しかし、同年6月25日には淺川誠二氏に判定負けを喫し、初防衛に失敗してしまいます。
王座陥落から8ヶ月後の1992年2月11日、淺川氏が返上した王座を玉崎義和氏と争い、10回判定勝ちで二度目の日本フェザー級王座返り咲きを成し遂げました。
日本王者として、1992年4月25日には敵地韓国でWBA世界フェザー級王者・朴永均氏に挑みますが、11回KO負けで世界王座獲得はなりませんでした。
世界初挑戦後は、日本王座を5度防衛する安定期を迎えます。この間、アマチュア時代のライバルだった高橋孝治氏との対戦ではTKO勝利を収め、過去の雪辱を果たしています。しかし、1994年1月25日、平仲信敏氏（元世界王者・平仲明信氏の実弟）に10回判定負けを喫し、6度目の防衛に失敗、王座から陥落しました。
再び王座が空位となった1995年3月28日、玉置厚司氏との決定戦に臨み、10回判定勝ちで三度目の日本フェザー級王座獲得に成功します。この王座は3度防衛後、1996年9月に返上しました。
日本王座返上後、1996年11月5日にはOPBF東洋太平洋フェザー級王者サミュエル・デュラン氏（フィリピン）に挑戦し、8回KOで勝利。東洋太平洋王座を獲得します。しかし、次の世界挑戦が決まったため、防衛戦を行わずに1997年4月に王座を返上しました。
1997年5月24日、二度目の世界挑戦は、1階級上のWBA世界スーパーフェザー級王者・崔龍洙氏（韓国）に対し、再び敵地での挑戦でした。試合はフルラウンドを戦い抜くも、12回判定負け。惜しくも王座は獲得できませんでしたが、その善戦は高く評価され、国内での世界戦実現に向けて再始動します。
1998年9月22日、代々木第二体育館でWBA世界フェザー級王者フレディ・ノーウッド氏（米国）への三度目の世界挑戦が予定されていましたが、王者が前日計量をパスできず失格となる異例の事態が発生。試合は王座空位の状態で行われ、松本氏が勝利した場合のみ新王者誕生という変則ルールとなりました。しかし、試合ではノーウッド氏のパワフルな攻撃に劣勢を強いられ、10回レフェリーストップによるTKO負けを喫します。この試合が現役最後の試合となり、プロキャリアに幕を下ろしました。
プロボクサーとしての通算戦績は、33戦26勝（15KO）6敗1分です。
現役引退後、松本氏は高校・大学時代の先輩である大橋秀行氏が設立した大橋ボクシングジムのチームトレーナーに転身します。指導者として類稀な才能を発揮し、多くのトップボクサーを育て上げました。
その指導からは、WBC世界スーパーフライ級王者となった川嶋勝重氏、WBAミニマム級、WBCフライ級、IBFライトフライ級の世界三階級を制覇した八重樫東氏、東洋太平洋フェザー級王者・細野悟氏、WBA女子世界ライトミニマム級王者・宮尾綾香氏といった世界・東洋太平洋王者が誕生しています。特に川嶋勝重氏の世界王座奪取に貢献した功績が称えられ、2004年度にはプロボクシングトレーナーの最高栄誉とされる「エディ・タウンゼント賞」を受賞しました。
プライベートでは、2010年に長男の圭佑氏が全国U-15ジュニアボクシング大会で優秀選手に選ばれるなど、家族と共にボクシング界に深く関わり続けています。父から子、そして孫へと続くボクシング一家の系譜は、日本のボクシング史においても特筆すべきでしょう。
松本好二氏は、自身の輝かしい現役時代の経験と、それを活かした卓越した指導力をもって、現在も日本のボクシング界を牽引する存在です。
アマチュアからプロへ
横浜高校時代には、インターハイと海邦国体でいずれも準優勝という実績を残します。両大会の決勝では、後にプロでも活躍する高橋孝治氏（沖縄県代表）に判定で敗れています。高校卒業後、同期の葛西裕一氏と共に専修大学へ進学しますが、わずか1年で中退。アマチュアでの通算戦績は37勝（21KO・RSC）6敗でした。その後、名門ヨネクラボクシングジムに入門し、プロボクサーとしての道を歩み始めます。
プロボクサーとしての軌跡
1989年6月27日、プロデビュー戦を5回判定勝ちで飾ります。キャリア初期にはB級ボクサー賞金トーナメント決勝で判定負けを経験しますが、1990年のA級ボクサー賞金トーナメントでは優勝を果たします。
1991年2月18日、プロ10戦目で日本フェザー級王座への初挑戦。前年のA級決勝で判定勝ちしていた渡辺司氏と、空位となった王座を争うダイレクトリマッチに臨み、7回KOで見事王座を獲得します。しかし、同年6月25日には淺川誠二氏に判定負けを喫し、初防衛に失敗してしまいます。
王座陥落から8ヶ月後の1992年2月11日、淺川氏が返上した王座を玉崎義和氏と争い、10回判定勝ちで二度目の日本フェザー級王座返り咲きを成し遂げました。
世界への挑戦
日本王者として、1992年4月25日には敵地韓国でWBA世界フェザー級王者・朴永均氏に挑みますが、11回KO負けで世界王座獲得はなりませんでした。
世界初挑戦後は、日本王座を5度防衛する安定期を迎えます。この間、アマチュア時代のライバルだった高橋孝治氏との対戦ではTKO勝利を収め、過去の雪辱を果たしています。しかし、1994年1月25日、平仲信敏氏（元世界王者・平仲明信氏の実弟）に10回判定負けを喫し、6度目の防衛に失敗、王座から陥落しました。
再び王座が空位となった1995年3月28日、玉置厚司氏との決定戦に臨み、10回判定勝ちで三度目の日本フェザー級王座獲得に成功します。この王座は3度防衛後、1996年9月に返上しました。
東洋太平洋王座獲得と世界再挑戦
日本王座返上後、1996年11月5日にはOPBF東洋太平洋フェザー級王者サミュエル・デュラン氏（フィリピン）に挑戦し、8回KOで勝利。東洋太平洋王座を獲得します。しかし、次の世界挑戦が決まったため、防衛戦を行わずに1997年4月に王座を返上しました。
1997年5月24日、二度目の世界挑戦は、1階級上のWBA世界スーパーフェザー級王者・崔龍洙氏（韓国）に対し、再び敵地での挑戦でした。試合はフルラウンドを戦い抜くも、12回判定負け。惜しくも王座は獲得できませんでしたが、その善戦は高く評価され、国内での世界戦実現に向けて再始動します。
1998年9月22日、代々木第二体育館でWBA世界フェザー級王者フレディ・ノーウッド氏（米国）への三度目の世界挑戦が予定されていましたが、王者が前日計量をパスできず失格となる異例の事態が発生。試合は王座空位の状態で行われ、松本氏が勝利した場合のみ新王者誕生という変則ルールとなりました。しかし、試合ではノーウッド氏のパワフルな攻撃に劣勢を強いられ、10回レフェリーストップによるTKO負けを喫します。この試合が現役最後の試合となり、プロキャリアに幕を下ろしました。
プロボクサーとしての通算戦績は、33戦26勝（15KO）6敗1分です。
名トレーナーとして
現役引退後、松本氏は高校・大学時代の先輩である大橋秀行氏が設立した大橋ボクシングジムのチームトレーナーに転身します。指導者として類稀な才能を発揮し、多くのトップボクサーを育て上げました。
その指導からは、WBC世界スーパーフライ級王者となった川嶋勝重氏、WBAミニマム級、WBCフライ級、IBFライトフライ級の世界三階級を制覇した八重樫東氏、東洋太平洋フェザー級王者・細野悟氏、WBA女子世界ライトミニマム級王者・宮尾綾香氏といった世界・東洋太平洋王者が誕生しています。特に川嶋勝重氏の世界王座奪取に貢献した功績が称えられ、2004年度にはプロボクシングトレーナーの最高栄誉とされる「エディ・タウンゼント賞」を受賞しました。
プライベートでは、2010年に長男の圭佑氏が全国U-15ジュニアボクシング大会で優秀選手に選ばれるなど、家族と共にボクシング界に深く関わり続けています。父から子、そして孫へと続くボクシング一家の系譜は、日本のボクシング史においても特筆すべきでしょう。
松本好二氏は、自身の輝かしい現役時代の経験と、それを活かした卓越した指導力をもって、現在も日本のボクシング界を牽引する存在です。
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