松本少年刑務所

松本少年刑務所について

松本少年刑務所（まつもとしょうねんけいむしょ）は、法務省の矯正局が管轄する刑務所で、日本全国にある少年刑務所のうちの一つです。長野県の松本市に位置し、JR東日本の篠ノ井線松本駅から車でおよそ15分の距離にあります。松本駅前の松本バスターミナルからは、アルピコ交通のバスを利用してアクセス可能です。

この刑務所は、飯田拘置支所と上諏訪拘置支所の二つの下部機関を持ち、405人の受刑者を収容する能力があります。受刑者の種類は、少年再犯者（JB級）や若年再犯者（YB級）に分けられています。

職業訓練と教育プログラム

松本少年刑務所では、受刑者に向けた様々な職業訓練が行われています。主な訓練内容としては、木工作業（ネズコ材使用の木彫や木工）、電気工事、自動車整備、左官、情報処理などが含まれています。これらの訓練は、受刑者に対して社会復帰の際に役立つスキルを提供することを目的としています。

特に注目されるのは、松本少年刑務所が持つ公立中学校の分校、「松本市立旭町中学校桐分校」です。1950年に開校されたこの分校は、刑務所内で唯一の公立中学校であり、受刑者の中から義務教育未修了者で、勉学への意欲がある者が選ばれて通うことができます。入学後は1年間の学習を経て、3年生へ編入される制度が設けられています。

この分校が設立された背景には、当時の松本少年刑務所で収容されていた受刑者の約8割が義務教育を修了していなかった事実があります。就学機会が少ないと犯罪に走りやすいとの認識から、教育の機会を提供することが目的でした。

教育の最新情報と証明

1965年頃までは20歳前後の受刑者が多く通っていましたが、近年では50代や60代の生徒もいるようです。他の刑務所にいる受刑者が桐分校に入学する場合、松本少年刑務所へ移送されます。2015年には卒業生7人が、全国から集まった関係者の前で卒業式を迎え、これまでに735人がこの分校を卒業しています。

2024年4月には歴史的な出来事があり、桐分校が女性受刑者を初めて受け入れることとなりました。入学式では5人の女性受刑者が新たに学び始めます。

旧設備と著名な受刑者

松本少年刑務所には、古い受刑者や未決勾留者収容棟が存在しましたが、1926年に建設された後、1989年まで利用されていたこの施設は、現在は松本市歴史の里に移築されています。このように、本刑務所は教育面での取り組みだけでなく、歴史的な側面も持ち合わせています。

また、松本少年刑務所には、特定の著名な受刑者も存在し、その中には大久保清氏が含まれています。支所や教育プログラムの独自性が際立つこの刑務所は、日本の矯正施設が多様な機能を果たす重要な役割を果たしています。

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