松本盆地東縁断層

松本盆地東縁断層とは

松本盆地東縁断層は、長野県の大町市から松本市にかけて、松本盆地の東縁に沿って南北に延びる活断層群です。この断層は、北側の神城断層と共に糸魚川静岡構造線断層系の北部セグメントを構成しており、南側には牛伏寺断層が存在します。

断層の概要

断層は、北緯36度32分、東経137度51分付近を北端とし、南は北緯36度13分、東経137度58分付近まで、全長約35〜36kmにわたります。断層面は東に40〜70度傾斜しており、左横ずれ成分を含む逆断層です。この断層は、高瀬川の左岸を通り、明科以南では犀川や奈良井川と並走しています。断層線は直線的ではなく、湾曲し断続的で、扇状地の堆積物に覆われているため判別が困難な場所も多いです。また、断層に沿って東側が隆起した断層崖が形成されています。

活動の特徴

松本盆地東縁断層群の北部周辺では、深さ15kmまでの浅い微小地震活動が活発です。地震調査研究推進本部は、この断層帯を糸魚川静岡構造線断層帯の北部2として区分し、以下の様に評価しています。

上下成分: 3m/1000年
活動間隔: 約2000年
最新活動時期: 1000〜1500年前（大町付近）
断層の形態: 東側隆起の逆断層で、逆断層成分が卓越

過去の活動

過去には、762年（美濃・飛騨・信濃）や841年（信濃）の地震が、この断層帯の活動に関連している可能性があります。また、1918年に発生した大町地震もこの地域で発生しましたが、起震断層は特定されていません。

関連情報

糸魚川静岡構造線: 松本盆地東縁断層が属する大規模な断層帯。
長野県神城断層地震: 関連する断層で発生した地震。

参考文献

信濃池田地域の地質 (PDF) 地質調査所 昭和58年 地域地質研究報告5 万分の 1 図幅金沢(10)第38号 （産業技術総合研究所 地質調査総合センター）
糸魚川−静岡構造線断層帯の形状の評価について (PDF) 地震調査研究推進本部
奥村晃史, 井村隆介, 今泉俊文 ほか、糸魚川-静岡構造線活断層系北部の最近の断層活動 -神城断層・松本盆地東縁断層トレンチ発掘調査- 『地震 第2輯』 1998年 50巻 appendix号 p.35-51, doi:10.4294/zisin1948.50.appendix_35
穂高クリーンセンター立地に伴う調査資料

外部リンク

地震調査研究推進本部
長野県の地震活動の特徴
糸魚川－静岡構造線断層帯
松本盆地東縁断層群 長野県の地学
* 1918年信州大町地震の断層運動 - ウェイバックマシン 河内一男：日本海東縁プレート境界の地震地学

この情報は、松本盆地東縁断層の理解を深める上で役立つでしょう。

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