松浦栄 (法学者)

松浦栄について

松浦栄（まつうら さかえ、1900年7月1日 - 1990年5月3日）は、日本の著名な法学者であり、警察官僚、さらには衆議院議員としても活躍した人物です。彼の専門分野は行政法で、特に地方自治法や警察法についての研究が知られています。

生い立ちと学歴

松浦は福井県福井市で誕生した後、幼少期に北海道の追分町（現在の安平町）に転居しました。彼は1922年に北海道帝国大学農学部を卒業し、翌1924年には京都帝国大学法学部の英法科を卒業しました。この時期に培った知識が、彼の後のキャリアに大きな影響を与えました。

職業経歴

松浦は、北海道庁において警部として勤務した後、警察関連の様々な職を歴任しました。具体的には、北海道警察練習所の所長や、北海道庁の外事課長や警視課長などを務めました。さらに、沖縄県や長崎県、宮城県の警察部長を歴任し、茨城県の内務部長としても活躍しました。

1947年には、日本自由党から出馬し、北海道4区で衆議院議員に初当選しましたが、1949年の選挙では敗北を喫しました。その後、1951年には北海道選挙管理委員会の委員長を務めることになります。

松浦は1952年からは教育者としても活動を開始し、北海学園大学及び北海短期大学で行政法や憲法、政治学などを教えました。1953年から1970年までの17年間、北海道自動車短期大学の講師も兼任しました。また、1965年には北海学園大学法学部の教授に就任し、その後、1972年まで就職部長としても貢献しました。彼は1974年に名誉教授として退職しました。

特徴的なエピソード

松浦が終戦後に直面したのは、法学者や政治学者が不足していたという現実でした。そのため、行政学や政治学に関する授業も受け持つこととなりました。ゼミの生徒には、後に弁護士となった上口利男などが名を連ねています。

栄典

その業績が評価され、松浦は1990年に勲四等旭日小綬章を受章しました。また、1945年には勲四等瑞宝章も授与されています。

家族と親族

松浦には二人の子、松浦昭と松浦保がいます。また、親族には高倉新一郎がいます。彼は松浦党及び松浦氏の系譜を引いているとされています。

主要な著書と論文

松浦は多くの著作を残しており、代表的なものには『法学概論』（1955年初版、1958年改訂版）、『日本国憲法概説』（1957年）、『選挙管理執行論』などがあります。これらの著作は、彼の学問的な貢献を示しています。

松浦栄は1990年に死去しましたが、彼の業績は現在でも多くの人々に影響を与え続けています。

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