松浦隆一

松浦隆一七段：将棋界の軌跡

1951年12月24日生まれの松浦隆一七段は、東京都台東区出身の将棋棋士です。丸田祐三九段を師事し、1977年2月4日にプロ入りを果たしました。棋士番号は132番。

プロ入りと棋歴

高校時代から将棋の腕前は高く、奨励会試験を受けて4級で仮入会。その後順調に昇段を重ね、プロ入り後は王位戦リーグ入りを果たすなど、活躍を見せました。1980年度の王位戦では、当時名人であった中原誠氏から金星を挙げ、勢いのある谷川浩司六段にも勝利するなど、高い実力の一端を垣間見せる結果を残しました。しかし、リーグは2勝3敗で終え陥落しています。

順位戦では、C級2組に長く在籍。昇級も降級もなく、安定した成績を残していました。しかし、21期目(第57期)からは3期連続で降級点を喫し、2001年度からはフリークラスに編入されました。フリークラスでは10年間在籍し、2011年6月10日に行われた第24期竜王戦昇級者決定戦2回戦で伊藤真吾四段に敗れ、引退を迎えました。

竜王戦では、第1期から5組に所属。第11期に6組へ降級しましたが、翌年には6組で準優勝を果たし5組へ復帰。その後再び6組に在籍しました。

通算成績は881対局、361勝520敗、勝率.4098。多くの棋戦で活躍し、NHK杯や勝ち抜き戦などにも出場経験があります。

棋風と人物像

松浦七段の棋風は、居飛車が基本で、矢倉を得意としていました。振り飛車も指すことはありましたが、基本的には居飛車党でした。特徴的なのは、玉を深く囲う前に戦う積極的な姿勢です。

私生活では、上海生まれの女性と結婚していましたが、その事実を長年秘密にしていたことが、後に棋士たちの間で話題となりました。

また、1982年から1989年にかけては関東奨励会の幹事を務めるなど、将棋界への貢献も大きい人物でした。開成高等学校卒業という経歴も、知的な一面を伺わせるエピソードです。

昇段履歴

1969年 4級
1977年2月4日 四段
1983年11月17日 五段（贈五段）
1991年9月17日 六段
2006年4月1日 七段
2011年6月10日 引退

まとめ

松浦隆一七段は、独特の棋風と、長く将棋界に貢献した棋士です。その人生は、激しい勝負の世界と、隠された私生活という対照的な側面を持ち合わせており、将棋ファンに多くの記憶を残しました。フリークラスでの10年間の活躍を経ての引退は、多くのファンに惜しまれつつ幕を閉じました。彼の棋士人生は、将棋界の歴史に刻まれた貴重な一ページと言えるでしょう。

もう一度検索