松田康甫

松田 康甫

1998年10月14日、石川県白山市に生まれる。プロ野球選手として主に投手として活動する右腕である。

アマチュア時代

白山市立松陽小学校、同市立笠間中学校で野球に打ち込んだ。金沢高等学校に進学後、3年生時にはチームの主力投手となる。しかし、夏の全国高等学校野球選手権石川大会ではベスト8で敗退し、甲子園出場は叶わなかった。

高校卒業後、拓殖大学へ進学。野球部に入部したが、1年生の冬に肩の手術を受けた影響もあり、大学の公式戦での登板機会はほとんど得られなかった。4年生の最後にようやくリーグ戦のマウンドに上がる機会があったが、制球に苦しみ打者3人連続で四球を与えるという結果に終わった。

独立リーグ（茨城）時代（第一期）

大学卒業後の2020年11月、ベースボール・チャレンジ・リーグ（ルートインBCリーグ）のドラフト会議において、茨城アストロプラネッツから指名を受け入団する。茨城球団は、当時最速146km/hを計測していた松田投手の潜在能力と将来性を高く評価しての指名であったと報じられている。

2021年シーズン、松田投手は怪我に悩まされる。7月にはトミー・ジョン手術を受けることになり、シーズンを通してわずか3試合（うち公式戦は2試合）の登板に留まった。厳しい状況の中、当時のジョニー・セリス監督からは「野球を楽しむこと、エンジョイ精神の大切さ」を説かれ、また、練習方法の質を高める助言を受けたという。これらの指導は、松田投手の精神的な成長と練習の質の向上をもたらし、球速は最速155km/hを計測するまでに大幅にアップした。数少ない登板機会であった4月の読売ジャイアンツ3軍との交流戦では、3者連続三振を奪う圧巻のピッチングを見せ、球場に訪れていたロサンゼルス・ドジャースのスカウティングディレクターの目に留まり、注目を集めた。同年6月頃には、球団のゼネラルマネージャーである色川冬馬氏からドジャースへの移籍を持ちかけられたが、突然の展開に現実味を感じられず、戸惑いを覚えたという。

MLBマイナー挑戦

2022年1月17日、ロサンゼルス・ドジャースとマイナー契約を結んだことが所属球団の茨城アストロプラネッツから正式に発表された。同日、松田投手は記者会見を行い、海を渡っての挑戦への意気込みを語った。同年4月に渡米し、通訳不在という環境の中、アリゾナ州のルーキーリーグでの練習に参加した。5月にはルーキー級のアリゾナ・コンプレックスリーグに所属するアリゾナ・コンプレックスリーグ・ドジャースに配属された。しかし、実戦登板の機会に恵まれないまま、同年8月25日に契約が解除され、ドジャースでのキャリアは短期間で幕を閉じた。

独立リーグ（茨城）時代（第二期）

アメリカから帰国後、2023年3月9日、同月4日に行われたトライアウトに合格し、2シーズンぶりに茨城アストロプラネッツへ練習生契約での復帰が発表された。懸命なアピールを続け、同年7月18日には支配下選手契約に変更となった。翌日、7月19日の埼玉武蔵ヒートベアーズ戦でリリーフとしてマウンドに上がったが、打者3人に対し安打2本と四球1つを与え、アウトを一つも取れないまま降板。自己責任失点3を記録した。この登板後、7月27日には再び練習生契約に戻され、結局、この1試合の登板に終わった。シーズン終了後の10月31日、自由契約選手となり茨城アストロプラネッツを退団することが発表された。

その後

茨城を再び離れた後、2025年3月に中華民国（台湾）の社会人野球チーム、列特博生技棒球隊への入団が発表された。高校、大学、独立リーグ、MLBマイナー、そして再び独立リーグと、波乱に富んだキャリアを経て、新たな舞台でプレーを続けることになった。

独立リーグでの背番号は、2021年が「41」、2023年が「47」であった。

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