松田町停留場

松田町停留場

松田町停留場（まつだちょうていりゅうじょう）は、大阪府大阪市西成区に所在する、阪堺電気軌道阪堺線の電車停留場です。各駅に付与されている駅番号は「HN55」です。この停留場の名称は、かつてこの地域に存在していた「松田町」という旧地名から名付けられました。

地理的な位置としては、恵美須町方面へ向かう上り線のホームは大阪市西成区天下茶屋二丁目に、浜寺駅前方面へ向かう下り線のホームは大阪市西成区天下茶屋東二丁目に位置しており、両ホームは一つの踏切を間に挟んで設けられています。

停留場構造

松田町停留場は、道路上などに敷設された新設軌道上に設けられた地上の停留場です。乗降のための設備として、単式のホームが上下線それぞれに一つずつ設置されており、合計で二つのホーム（2面2線）を持つ構成となっています。この停留場の構造における最大の特徴は、これら二つの単式ホームが踏切を挟んで斜め向かいに配置されている、いわゆる「千鳥式ホーム」である点です。

具体的には、恵美須町方面行きのホームと浜寺駅前方面行きのホームが、停留場に近接する踏切を間に置いて互い違いの位置に設けられています。さらに、上下線のホームはどちらも、それぞれの進行方向から見て踏切の手前に位置するように設置されています。この配置により、電車が停留場に進入する際は、必ず踏切を渡る前に停車することになります。

歴史

松田町停留場は、1911年（明治44年）12月1日に開業しました。これは、現在の阪堺電気軌道の前身の一つである（旧）阪堺電気軌道が、恵美須町から市ノ町（現在の大小路停留場にあたる区間）までを開業させた際に開設された最初の停留場の一つです。

その後、日本の鉄道会社の統合や事業譲渡に伴い、停留場の運営主体は複数回変更されました。1915年（大正4年）6月21日には、会社の合併により南海鉄道の停留場となります。続いて、太平洋戦争中の交通事業再編政策の影響で、1944年（昭和19年）6月1日には南海鉄道が近畿日本鉄道に合併されたため、近畿日本鉄道の一部となりました。終戦後、運輸事業の再整理が行われ、1947年（昭和22年）6月1日には、南海電気鉄道に路線が譲渡され、再び南海グループの停留場となります。そして、1980年（昭和55年）12月1日、南海電気鉄道から子会社の阪堺電気軌道へ路線が譲渡されたことに伴い、現在まで続く阪堺電気軌道の停留場として運営されています。開業から数えて約70年の間に、実に4度も所属会社が変わるという変遷を経ています。

停留場周辺

停留場の周囲には、いくつかの施設が点在しています。周辺にある主な施設としては、寺院である西宝寺や、苔山龍王などが挙げられます。また、教育機関としては、大谷中学校・高等学校が比較的近い場所に位置しています。

かつては、停留場の西側付近に大阪市営バス（現在の大阪シティバス）の「松田町駅西」停留所が設置されており、コミュニティバス「赤バス」の系統の一つである「西成東ループ」が停車していました。しかし、この「西成東ループ」は、大阪市営バスの運行系統の見直しに伴い、2013年（平成25年）3月31日をもって運行が終了し廃止されたため、現在は停留場に直接接続するバス路線は存在しません。

隣の停留場

阪堺電気軌道阪堺線における、松田町停留場の恵美須町方面および浜寺駅前方面の隣接する停留場は以下の通りです。（カッコ内は駅番号を示します）

* 今船停留場（HN54） - 松田町停留場（HN55） - 北天下茶屋停留場（HN56）

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