松登晟郎

松登 晟郎（まつのぼり しげお）

松登晟郎は、1924年7月20日に千葉県東葛飾郡松戸町（現在の松戸市松戸）で生まれ、本名は永井福太郎です。彼は1941年に大山部屋に入門し、力士としての道を歩み始めました。身長172cm、体重154kgの体格で、押しや寄り、吊りなどが得意技でした。彼の相撲人生のピークは西大関で、数々の試合で活躍しました。

来歴と相撲人生

松登は小学校3年生のときに既に体重が60kgに達し、親方からも弟子入りを勧められました。1941年1月場所で初土俵を踏んだ際、番付には誤って「枩曻福太郎」と記載されましたが、後に修正され「枩登福太郎」となりました。

1944年には徴兵されるも、戦後の1945年に角界に復帰しました。復帰後、実家の経済的な事情から一時期帰郷したが、師匠の説得を受けて土俵に戻ります。1949年、彼は8勝4敗の成績を収め、同年5月場所で新十両へ昇進。十両を経て1951年9月に新入幕を果たすと、1952年から四股名を「松登」に改めました。

幕内に昇進後、彼は多くの強豪力士と対戦し、好成績を挙げましたが、特に若乃花との競り合いが注目されました。1954年には千代の山を破って金星を挙げ、11勝4敗の成績で初の敢闘賞を受賞。その後も連続して三役に昇進し、大関昇進の期待も高まりました。

1956年1月の場所で左足を骨折し、その後の成績に影響を及ぼしましたが、松登は最終的に1955年に2回目の大関昇進を果たします。しかし、それ以降、糖尿病や怪我に苦しみ、成績は低迷しつつありました。1959年の場所では大きく負け越し、平幕に陥落してしまいます。

引退後

1961年11月に37歳で引退。時津風理事長の助言により、名跡をいただいて協会に残ることができました。大山部屋を継承し、親方として多くの力士を指導しました。松登は穏やかな性格で知られ、弟子たちに丁寧な技術指導を行い、家庭的な環境を提供しました。

1986年4月21日、白内障手術を受けた際にアナフィラキシーショックが原因で急逝しました。享年61。彼の墓所は青山霊園にあります。

取り口・人柄

松登は入幕時には比較的線が細い体型でしたが、成長と共に肥満体型に変わり、取り口は力強さを増しました。特に、土俵際での動きが特徴的で、彼の人柄も多くのファンに愛されました。彼はまた、独自の仕草で人々の心を掴み、「マンボの松ちゃん」と呼ばれることもありました。

ライバルである若乃花に対してはついに勝ちを収められず、また横綱・栃錦にも多くの敗北を喫しましたが、反面千代の山との相性は良く、勝ち越しを果たしていました。大食漢でもあり、そのエピソードが数多く残されていますが、糖尿病の影響を受けることにもなりました。

料理にも熱心で、弟子たちのためにちゃんこを作るなど、人柄が現れた一面もありました。モットーとして「大関は協会の看板」と語り、彼自身も大相撲界に貢献し続けたひとりです。松登晟郎は、力士としてだけでなく人としても多くの人々に影響を与え続けた偉大な存在でありました。

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