松竹京都撮影所

松竹京都撮影所の歴史

松竹京都撮影所は、日本の映画産業の中で特に重要な役割を果たした映画スタジオです。このスタジオは、かつて京都市に所在し、主に時代劇の制作に取り組んでいました。1923年に開設されて以来、1952年までの間、映画制作の中心的な場所として知られていました。以下では、松竹京都撮影所の歴史と変遷について詳しく見ていきます。

下加茂時代（1923年 - 1952年）

松竹京都撮影所の始まりは、1923年9月1日に発生した関東大震災に遡ります。この震災により、東京の松竹蒲田撮影所が甚大な被害を受けたため、松竹下加茂撮影所が京都市左京区下鴨に設立されました。震災直後、その場所に一時的に現代劇の撮影が移され、1925年には再び蒲田に戻りましたが、同年の6月に閉鎖されました。

次いで、1926年1月には、松竹京都撮影所として再オープンを果たします。この時期、撮影所は特に林長二郎（後の長谷川一夫）の『稚児の剱法』を皮切りに、様々な時代劇を制作し、「下加茂カラー」と称されるスタイルで一世を風靡しました。中でも『雪之丞変化』や『残菊物語』が高く評価され、スタジオは多くの人気作品を生み出しました。

しかし、1950年には撮影所内のフィルム倉庫で火災が発生し、状況は厳しくなります。1952年、松竹は下加茂撮影所を京都映画に譲渡し、この際に「京都映画撮影所」と改称されました。これにより、松竹京都撮影所は新たに移転地である太秦堀ヶ内町へと移ることになります。

太秦堀ヶ内町時代（1952年 - 1965年）

下加茂から移転した松竹京都撮影所は、右京区の太秦堀ヶ内町に新たに設けられたスタジオで再生しました。1935年にマキノ正博によって設立された「マキノトーキー製作所」が起源であり、スタジオは映画制作の盛況な地となりました。ここでの代表的な作品には、大曽根辰保監督の『花の生涯』や、渋谷実監督の『青銅の基督』、そして小林正樹監督の『切腹』などがあります。

しかし、映画産業全体が斜陽化する中、1965年に再びこのスタジオは閉鎖に至ります。閉鎖後、1974年には「京都映画撮影所」に譲渡されました。この動きにより、松竹京都撮影所の名称は一時消えることとなりますが、2008年に再度「松竹京都撮影所」として誕生しました。

まとめ

松竹京都撮影所は、大正から昭和にかけて、日本の映画界において重要な役割を果たしてきました。時代劇の制作を通じて、数々の名作を生み出し、この分野では特に多くのファンに支持されてきた歴史があります。時代劇の枠を超えた映画制作を今後も期待したいものです。

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