松虫寺

千葉県印西市に佇む古刹、松虫寺

松虫寺（まつむしでら）は、千葉県印西市松虫にある真言宗豊山派の寺院で、摩尼珠山医王院と号します。本尊として七仏薬師瑠璃光如来を祀り、その創建は天平17年（745年）に遡ると伝えられています。この寺は、聖武天皇の皇女である松虫姫にまつわる伝説で知られています。

歴史と伝説

松虫寺の創建については、行基が開いたという説があります。江戸時代の地誌『利根川図志』には、瑞慶が制作した仁王像があり、本尊は行基の作と伝えられています。

寺伝によると、松虫姫は難病に苦しんでいた際、下総萩原の薬師如来が夢に現れ、「東国で祈れば病が癒える」と告げました。これを受け、聖武天皇は姫を行基に伴わせ、牛に乗せて下総へと向かわせました。印旛の地で薬師堂を見つけた姫は祈りを捧げ、病を克服したとされています。帰京の際、姫と共に来た牛は、姫が一人で帰るのを悲しみ池に身を投げたとされ、その池は「牛むぐりの池」として今も残っています。

文化財

松虫寺は、数々の貴重な文化財を所蔵しています。

重要文化財（国指定）：木造薬師如来像7躯
行基の作と伝わるこの七仏薬師像は、平安時代末期の作であり、七仏薬師像の稀有な作例として知られています。中尊の坐像は像高54.3cm、脇に立つ6体の立像は像高38～39cmです。
県指定有形文化財：鋳銅孔雀文磬

これらの文化財は、松虫寺の歴史と文化の深さを物語っています。

所在地と交通

松虫寺は、千葉県印西市松虫7に位置しています。

交通アクセス
北総線印旛日本医大駅から徒歩10分。

印旛日本医大駅は、「松虫姫」という副駅名が付けられており、駅建設時の仮称は「印旛松虫駅」でした。これは、松虫姫の伝説がこの地域に深く根付いている証と言えるでしょう。

まとめ

松虫寺は、古代から続く歴史と豊かな文化に彩られた寺院です。その静寂な雰囲気の中で、訪れる人々は、歴史の重みと心の安らぎを感じることができます。印西市を訪れた際には、ぜひこの古刹に足を運んでみてください。松虫姫の伝説に触れ、歴史と文化の奥深さを体感してみてはいかがでしょうか。

外部リンク

松虫寺
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気まぐれ社寺案内（松虫寺）
* 千葉県公式観光情報サイト まるごとe! ちば

脚注

1. 脚注1

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