松野寛

松野寛（まつの ひろし）は、1940年10月26日に静岡県で生まれた元ボートレーサーです。1969年3月5日、平和島競艇場での第15回全日本選手権競走において、松野選手は全勝で優勝戦に進出しました。しかし、その直前に弟が交通事故で亡くなるという悲劇に見舞われます。この選手権は春先に開催された唯一の大会で、初日から雪が降る悪天候でした。松野選手は8年目にしてSG初優出を果たしましたが、優勝戦が吹雪で中止順延となり、その翌日に弟の訃報を受け、欠場を決意しました。

その後、松野選手は1988年8月9日に浜名湖競艇場で開催された第34回モーターボート記念競走でSG初優勝を成し遂げました。このレースでは、中へこみのスリットから、津田富士男選手が内を絞って捲ってくるのを、松野選手は完璧なターンで捲らせず、差させず、勝利を掴み取りました。この時、彼の得意とする差しは「マツカン差し」と呼ばれるようになり、その卓越した技術は広く知られるようになりました。47歳にして地元での初SG制覇は、多くのファンに感動を与えました。

1998年12月11日、浜名湖競艇場での「'98ファイナルカップ」2日目9R予選で、松野選手は2号艇2コースから差して最後の勝利を飾りました。12月14日の5日目12R準優勝戦に進出したものの、優出は果たせず（5号艇2コース進入で6着）、翌15日の最終日10R選抜戦（1号艇1コース進入で5着）が最後の出走となりました。同年、松野選手は現役を引退しました。引退後の2007年には、長年の功績が認められ、ボートレース殿堂マイスターに選出されました。

松野寛選手は、2021年11月12日に病気のため逝去されました。享年81歳でした。

獲得タイトル

1965年 - 鳴門開設12周年記念競走
1966年 - 東海地区選手権競走（浜名湖）
1973年 - 浜名湖開設20周年記念競走
1978年 - びわこ開設26周年「秩父宮妃記念杯競走」
1979年 - 平和島開設25周年記念競走
1988年 - 第34回モーターボート記念競走（浜名湖）

関連項目

競艇選手一覧

外部リンク

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