板倉区

板倉区（いたくらく）

新潟県上越市の南東部に位置する板倉区は、かつて中頸城郡に属していた板倉町全域が、2005年1月1日の上越市との合併に伴い地域自治区として再編されたエリアです。

地理と気候

区内には、大熊川や別所川が流れ、北側の境界線には関川が位置しています。地形は山間部も多く含み、気候は国の定める特別豪雪地帯に区分され、冬期間は多くの積雪に見舞われます。この地域の厳しい冬を象徴するように、山間部の柄山集落では、1927年2月に818センチメートルという記録的な積雪深が観測されています。

経済

経済面では、区の中心部に位置する針地区に小規模ながらも商店街（針商店街）が形成されており、住民生活を支える役割を担っています。

教育

教育施設としては、2021年4月に複数の小学校が統合されて開校した上越市立板倉小学校が針小学校の校舎を使用しているほか、上越市立豊原小学校、上越市立板倉中学校があります。また、新潟県立有恒高等学校も区内に置かれています。

交通網

交通網について、区内には高速道路や一般国道は通過していません。主要な道路としては、新潟県道30号新井柿崎線、95号上越飯山線、184号三和新井線、186号板倉直江津線、254号上小沢上越妙高停車場線といった県道が整備されています。

公共交通機関では、路線バスが運行されています。くびき野バスが高田市街との間を結ぶ「46 島田線」を運行するほか、頸南バスが新井市街との基幹路線である「73 新井・板倉線」および同線に接続する支線を運行しています。さらに、市営バスによる区内の支線も利用可能です。

名所・観光・文化施設

板倉区には、豊かな自然や歴史に触れることができる名所や観光スポットが点在しています。

標高の高い光ヶ原高原は、かつて町営牧場があった場所で、1988年（昭和63年）には観光施設「光ヶ原グリーンビレッジ」が開設されました。ここには光カ原高原センター、「光の風車」、観光牧場、テニスコート、ミニゴルフ場、湿生花園などが整備されていました。その後、1999年には第三セクターの板倉ファミリーパークが設立されるなどの動きがありましたが、町営牧場は2006年に閉鎖されています。

その他の主な施設や旧跡としては、以下のようなものがあります。

山寺薬師（延命清水）：薬師信仰の古刹と、そこにある名水
恵信尼廟所：浄土真宗の宗祖・親鸞聖人の妻、恵信尼の墓所とされる場所
箕冠城（みかぶりじょう）跡：戦国時代の山城跡
上江用水：歴史的なかんがい施設としてかんがい施設遺産に登録されています
増村朴斉記念館：地域ゆかりの画家、増村朴斉の作品などを展示
中村十作記念館：近代日本の教育・農業に貢献した中村十作に関する資料を展示
そば処いたくら亭：地元のそばを味わえる施設
ゑしんの里やすらぎ荘：2種類の温泉を楽しめる保養施設
ゑしんの里記念館：2005年8月に開館した施設
地すべり資料館：地すべり災害に関する資料や展示
地すべり人柱供養堂：地すべり対策の歴史に関連する供養塔
常設型地域の茶の間・ねごしの里：地域住民が集う交流の場

これらの施設や景勝地が、板倉区の歴史や文化、自然を学ぶ機会を提供しています。

地域自治区となった板倉区は、旧板倉町の歴史と特性を受け継ぎながら、上越市の一部として新たな歩みを進めています。

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