頸南バス

頸南バス株式会社

会社概要と沿革

頸南バス株式会社は、新潟県妙高市に拠点を置くバス事業者です。親会社である頸城自動車のグループに属しています。設立は1992年10月1日で、これは頸城自動車の新井営業所が分社化されたことによります。

同社は、主に上越市板倉区や清里区、そして本社のある妙高市の交通を担っています。特に、地域住民の生活を支える廃止代替バスの運行や、妙高市から委託を受けた市営バスの一部路線の運行を行っています。また、地域の観光振興に貢献するため、季節限定の周遊バスも運行しています。

本社営業所は妙高市栄町に位置し、他に妙高車庫（妙高市田口）と整備工場（妙高市工団町）といった事業拠点を置いています。沿革としては、設立から20年後の2012年10月には、アルピコ交通がかつて運営していた妙高営業所管内の路線を引き継ぐなど、地域の路線網の変化に対応してきました。

運行を担う路線

頸南バスが運行する路線は、その性格によっていくつかの種類に分けられます。

廃止代替バス

上越市の板倉区や清里区方面へ向かう路線は、地域における公共交通の維持を目的とした廃止代替バスとして運行されています。これらの路線は、2010年9月に大きな変更があり、日中の便の一部区間が予約が必要なデマンド運行に切り替えられました。また、毎年1月1日は全ての便が運休となります。2018年4月には、板倉コミュニティプラザを境に系統が分割される再編も実施されました。主な路線として、「新井・板倉線」や「三針（清里）線」などがあります。「三針（清里）線」は土曜・休日や特定の期間は運行しません。

上越市営バス（運行受託）

2021年4月以降、上越市からの委託を受けて、「菰立線」や「上関田線」、「山寺薬師線」といった一部の市営バス路線の運行も担当しています。これらの路線は、地域の小中学生の通学利用も兼ねた「スクール混乗」という形態で運行されています。一部のバス停では、デマンド運行区間ではない場合でも予約が必要となる場合があります。

妙高市営バス（運行受託）

妙高市から委託を受け、市営バスの一部路線を運行しています。これらの市営バスも、一部路線・便はスクールバスとしての性格を持ち、土休日や長期休暇期間に運休する場合があります。運賃支払いには現金に加え、頸城自動車グループ共通の回数券が利用可能です。ただし、頸城自動車が発行する土休日限定の1日フリー乗車券は利用できません。過去には路線バスとして運行されていた「矢代線」や「広島線」、「原通線」などが、市営バスへの転換を経て、頸南バスが運行を受託しています。特に「矢代線」と「広島線」は、2013年以降、頸南バスが担当するのはスクールバス扱いの便のみとなっています。

周遊バス

地域の観光振興を目的とした周遊バスも運行しています。妙高山麓の主要な観光地と鉄道駅を結ぶ「ぶらっと妙高号」や「笹ヶ峰直行バス」は、主に夏季から秋季にかけて運行され、それぞれの路線で独自の運賃体系（1日乗車券または区間運賃）が設定されています。また、上越妙高駅から高田、春日山を経由して直江津港を結ぶ「ぶらっと春日山・高田号」は、主に冬季を除く土休日を中心に運行され、こちらも1日乗車券で利用できます。これらの周遊バスは、観光客の利便性向上に貢献しています。

スクールバス（一般利用可）

一部のスクールバス路線についても、一般の地域住民も利用できるようになっています。例えば、「斐太・和田スクールバス」や「長沢スクールバス」などが該当します。これらの路線も、学校のスケジュールに合わせて運行されるため、土休日や長期休暇期間中は運休となる便が多くあります。

かつて運行していた路線

頸南バスは、地域交通の変化に伴い、過去に運行していた路線の一部が廃止されたり、運行主体や形態が変更されたりしています。

期間限定の観光バスとして、「黒姫コスモス号」や「秋の妙高・黒姫号」が運行されていた時期がありました。また、「岡沢線」や「関山線（小野沢線）」は、2012年10月以降、上越市の乗合タクシーによる運行に切り替えられています。「関・燕温泉線」は2013年10月に妙高市営バスの路線となりました。

スクールバスのうち、「水上スクールバス」と「斐太スクールバス」は、2013年10月以降、一般利用ができなくなりました。アルピコ交通から引き継いだ「赤倉線」と「池の平・杉野沢線」は、2016年3月に廃止され、その後は妙高市営バスとして運行されています。妙高市営バスの「平丸線」や「上小沢線」も、以前は頸南バスが運行していましたが、2020年10月からはNPO法人による登録制コミュニティバスに移行しています。この他にも、路線改定に伴い廃止された路線や停留所があります。

車両

頸南バスが保有する車両は、その用途に応じていくつかの種類があります。路線バスには、いすゞ自動車製や日産ディーゼル工業（現UDトラックス）製の車両が導入されています。観光バスとしては、三菱ふそうトラック・バス製の車両に加え、少人数での利用に適したトヨタ自動車製のハイエースコミューターも活用されています。また、妙高市から運行を受託している市営バス専用の車両として、トヨタ自動車製のハイエースが3台配置されています。これらの車両が、地域の様々なニーズに応じた運行を支えています。

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