板倉重常

板倉重常の生涯

板倉重常（いたくら しげつね）は、江戸時代中期に活躍した日本の武士で、下総関宿藩の第三代藩主であり、後に伊勢亀山藩の初代藩主として知られています。彼は寛永20年（1643年）10月22日に、下総国の関宿藩を治めていた板倉重郷の長男として誕生しました。重常は若い頃からその家柄の影響を受け、万治元年（1658年）には従五位下、隠岐守に叙位・任官され、幕府においての地位を確立しました。

家督相続と関宿藩主の就任

寛文元年（1661年）、父である重郷が亡くなると、重常はその直後の寛文2年（1662年）に家督を相続し、関宿藩の藩主としてその責務を果たすことになります。彼の藩主としての初期の任期は、平穏なものではなかったものの、成長するばかりの藩政の中で新たな方向性を見出していくこととなります。

伊勢亀山への転封と施策

その後、寛文9年（1669年）には、藩の石高が増加し、総石高は5万石へと引き上げられ、伊勢亀山へと移封されました。この新しい地で重常は、亀山城の改築や寺社政策の強化、新田の開発など、農業の振興に努める一方、賦役の軽減や減税などの巧みな政策を施して藩民に配慮した善政の実践者としての側面も見せました。しかし、厳しい自然環境の影響で、彼の施政策や努力にもかかわらず、藩内では度重なる凶作が発生し、藩の財政状況は悪化。最終的には1万2000両もの負債を抱えてしまうこととなります。

隠居と死去

このような中で、重常は貞享5年（1688年）2月16日に養子である重冬に家督を譲ることを決意し、隠居生活に入ります。しかし、隠居後の生活は長くは続かず、半年後の8月7日に亡くなりました。享年46歳という短い生涯であった重常ですが、その治世の中で数々の改革を試みた努力は後の時代に語り継がれています。

家系と子女

重常の正室は筆子で、戸田氏信の娘であると言われています。彼には二人の娘が存在し、次女の市は太田資直の正室となり、三女の久は後に松平信通および堀田正朝の正室となりました。また、重常には長女が存在し、養子として重冬を迎え入れました。重常の家系は今もなお、歴史の中でその名を残しています。

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