板垣竜太

板垣竜太（いたがき りゅうた）

日本の歴史学者であり、同志社大学社会学部教授を務める板垣竜太氏は、1972年12月11日に生まれました。専門は朝鮮史、特に朝鮮近現代史と植民地期朝鮮の社会構造です。

学歴と職歴

1995年に東京大学教養学部教養学科文化人類学コースを卒業後、2003年には東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻博士後期課程を単位取得満期退学しました。同年、東京大学大学院人文社会系研究科韓国朝鮮文化研究専攻助手として研究者のキャリアをスタートさせました。

その後、2004年に同志社大学文学部社会学科専任講師、2005年に同志社大学社会学部社会学科専任講師を経て、2008年に同大学准教授、2014年に同教授に就任しました。2006年には東京大学から博士（学術）の学位を授与されました。博士論文のタイトルは「朝鮮の地域社会における植民地経験 : 慶北尚州の歴史民族誌(Colonial experience in Korean local society : a historical ethnography of Sangju, Kyeong-buk)」です。

研究活動

板垣氏の研究は、植民地期朝鮮の社会構造に焦点を当てており、特に地域社会における植民地経験を歴史民族誌の手法を用いて分析しています。その研究成果は、著書『朝鮮近代の歴史民族誌 -慶北尚州の植民地経験』（明石書店、2008年）にまとめられています。

また、日中韓3国の歴史研究者が共同で編集した学校副教材『未来をひらく歴史―東アジア3国の近現代史』（高文研、2005年）や、『日韓 新たな始まりのための20章』（岩波書店、2007年）の執筆にも携わっており、歴史教育における多角的な視点の重要性を訴えています。

言論活動

板垣氏は、研究活動の傍ら、ネット上での言論活動にも積極的に参加しています。特に、「反ひのきみネット」の管理人や「メディアの危機を訴える市民ネットワーク」（メキキネット）の事務局の一人として、情報発信や社会問題への提言を行っています。

「日本のレイシズム」批判

季刊『前夜』第11号「現代日本のレイシズム」特集では、「『マンガ嫌韓流』と人種主義」と題して、『マンガ嫌韓流』における資料・統計の捏造・誤用を指摘し、その表現とロジックを「〈嫌韓流〉話法」または「〈嫌韓流〉的」と定式化しました。板垣氏は、この「〈嫌韓流〉的」なあり方を、第二次世界大戦後の日本でレイシズムが表現される際の特徴的なあり方であると捉え、日本のレイシズム問題について深く考察しています。

その他の活動

板垣氏は、文富軾の『失われた記憶を求めて -狂気の時代を考える』（現代企画室、2005年）の翻訳も手がけており、歴史の記憶と向き合うことの重要性を訴えています。

関連情報

関連項目: 日本の民族問題、在日韓国・朝鮮人、藤永壮
外部リンク:
反ひのきみネット
メディアの危機を訴える市民ネットワーク

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