林修三

林修三 (はやし しゅうぞう)

概要

林修三は、1910年1月1日に東京で生まれ、1989年6月21日に亡くなった日本の官僚です。大蔵省と法務省での勤務を経て、内閣法制局長官を10年近く務めました。その間、鳩山、石橋、岸、池田の4つの内閣を支え、法制面で重要な役割を果たしました。位階は正三位、勲等は勲一等旭日大綬章を受章しています。また、『時の法令』誌に掲載された判例解説では、「はやし しうぞう」の別名を用いていました。

生涯

1910年1月、東京に生まれた林修三は、旧制東京高校を経て、1932年3月に東京帝国大学法学部を卒業しました。卒業後、大蔵省に入省し、銀行局に配属されました。同期入省には、石田吉男、窪谷直光、河野通一、近藤直人、東条猛猪、本城直彦、森永貞一郎、山田明三、吉本真二、渡辺喜久造がいます。

1947年4月28日には大蔵省管理局総務課長に就任し、その後、1948年5月22日には法務庁法制第一局長、1949年6月1日には法務府法制意見第二局長を歴任しました。1952年7月1日には法制局次長となり、1954年12月11日には法制局長官に就任、その後2回再任されました。

1962年7月1日には組織改称に伴い、内閣法制局長官となりました。1964年11月9日、第3次池田内閣の総辞職に伴い、依願免官となります。その後、1965年5月7日には首都高速道路公団理事長に就任し、1971年5月24日に退職しました。1972年4月14日から行政管理庁行政監理委員会委員を3年間務め、その後も再任、再々任されました。1980年4月29日には勲一等瑞宝章を受章、1988年4月1日には環境庁顧問に就任、1989年4月29日には旭日大綬章を受章しました。同年6月21日に亡くなり、正三位を叙位されました。

著書

林修三は、法律に関する多くの著書を残しています。主な著書には、以下のものがあります。

『例解立法技術』 (1955年、学陽書房)
『法令用語の常識』 (1958年、日本評論新社)
『法令解釈の常識』 (1959年、日本評論新社)
『法制執務』 (1962年、学陽書房)
『法令作成の常識』 (1964年、日本評論社)
『法制局長官生活の思い出』 (1966年、財政経済弘報社)
『法律夜話 憲法第九条と安保条約』 (1968年、時事問題研究所)
『ハムレットの城』 (1970年、学陽書房)
『法律夜話 続(憲法と国民の権利・義務)』 (1971年、時事問題研究所)
『行政法の話』 (1972年、第一法規出版)
『憲法の話』 (1973年、第一法規出版)
『公益法人研究入門』 (1976年、公益法人協会)
『新憲法手帖』 (1980年、全国加除法令出版)
『憲法めがね』 (1981年、財務出版)
『判例解説 憲法編』 (全6巻、1988-90年、ぎょうせい)
『判例解説 行政法編』 (全4巻、1990-93年、ぎょうせい)

共編著

また、共編著として、

『財政会計辞典』 (1959年、学陽書房)
『法令用語辞典』 (1959年、学陽書房)
『法令用語辞典 第4次全訂新版』 (1966年、学陽書房)
『自衛隊と憲法の解釈』 (1967年、有信堂)
『基本的人権』 (1973年、成文堂)
『統治の機構と作用』 (1973年、成文堂)
『憲法基本判例』 (1976年、青林書院新社)
『行政法基本判例』 (1977年、青林書院新社)

などがあります。

まとめ

林修三は、日本の法制に深く関わり、多くの著書を通してその知識を広く伝えた人物です。官僚としての長年の経験と、法律に対する深い造詣は、日本の法制史において重要な足跡を残しました。

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