林家きよ彦

林家 きよ彦（はやしや きよひこ）

林家きよ彦は、北海道札幌市に生まれ、林家彦いち門下で修業を積む落語家です。本名は早坂清花（はやさかせいか）。高座に上がる際の出囃子には「仲よし小道」を用い、紋は光琳蔦（こうりんづた）とでんでんこぶしを使用しています。

入門以前の歩み

札幌で育ったきよ彦は、市立札幌藻岩高校を卒業後、藤女子大学に進学します。大学在学中から落語に取り組み、学生落語の分野で才能を開花させました。特に、全日本学生落語選手権である「策伝大賞」においては、第5回および第8回の大会で決勝の舞台まで進んでいます。この時期には、「でっ亭悠（でっていゆう）」や「藤花亭梅殊（とうかていうめしゅ）」といった芸名で活動していました。大学を卒業した後も、故郷の北海道で一人高座に上がり、落語への情熱を持ち続けました。

また、落語家としての活動とは別に、社会福祉士として障がいのある方々のアート活動を支援する仕事にも従事していました。東日本大震災が発生した際には、移動支援ボランティアとして宮城県石巻市の避難所を訪れ、被災した方々を支援しました。このとき、避難所の利用者からの依頼を受けて落語を披露するなど、社会活動と落語を結びつける経験も持っています。

芸歴と昇進

2016年9月、落語家となる決意を固め、林家彦いちの門を叩きました。入門からおよそ一年後の2017年10月、前座として楽屋入りを果たし、このとき「きよひこ」という前座名が与えられました。その後、前座として研鑽を積み、2021年3月1日には、林家やま彦（現・林家けい木）、春風亭与いち、三遊亭歌彦と共に二ツ目に昇進。この昇進に合わせて、芸名を現在の「林家きよ彦」に改めました。

主な芸歴

2016年9月：林家彦いちに入門
2017年10月：前座「きよひこ」となる
2021年3月：二ツ目昇進、「きよ彦」に改名

主な受賞

落語家としての実力も高く評価されており、2022年に開催された第1回プリモ芸術コンクールでは、落語部門においてグランプリを受賞しました。

人となりと活動

多趣味な一面も持っており、美術鑑賞、スーパー巡り、YOSAKOIソーランの鑑賞などを楽しみ、お酒やバイク（クロスカブ110）も嗜みます。特技としては、剣道三段の腕前と、SAJ公認1級を持つスキーの技術があります。

落語協会に所属する二ツ目たちによる勉強会「チャノマ」のメンバーとしても活動しており、意欲的に自身の芸を磨いています。兄弟子の林家やま彦が数々の興味深いエピソードを持つことから、師匠や先輩から「やま彦にまつわる面白い話はないか」と尋ねられることが多いといいます。

また、落語の活動以外では、作家の蛙田アメコ氏と共にインターネットラジオ番組「落語家とラノベ作家のふたりよがり」をRadiotalkやツイキャスで配信するなど、異分野のクリエイターとの交流を通じて活動の幅を広げています。

出演・著書

映画出演: 林家しん平監督の映画「二つ目物語」（2022年公開）に出演。お茶子役や寄席の観客役として登場しています。
* 著書: 『林家木久扇一門本 〜天下御免のお弟子たち〜』（秀和システム、2022年）に、木久扇一門の一員として執筆に参加しています。

このように、学生時代からの経験、社会活動、そして落語家としての修業を経て、林家きよ彦は古典落語から現代的な活動まで幅広く取り組んでいます。今後のさらなる飛躍が期待される噺家です。

公式ウェブサイトやX（旧Twitter）、Facebookなどのソーシャルメディアを通じて、最新の情報や活動状況を発信しています。

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