林家二楽

林家二楽：伝統と革新を融合する紙切りの達人

林家二楽は、1967年埼玉県春日部市に生まれた紙切りの名人です。落語協会所属の芸人であり、その卓越した技と創造性で、伝統芸能である紙切りに新たな魅力を吹き込んでいます。

芸の道へ

二楽の血筋には、芸の才能が流れています。父は紙切りの名手として知られる二代目林家正楽、兄は落語芸術協会所属の三代目桂小南と、芸の世界で活躍する兄弟です。1989年、二楽は父である正楽に入門し、「林家二楽」を名乗り、本格的に紙切りの道を歩み始めました。1991年には寄席で初高座を飾り、父と共に観客を魅了しました。

紙切りの可能性を広げる挑戦

二楽は、伝統的な紙切り技術を継承するだけでなく、常に新しい表現に挑戦しています。1993年には、親子で紙切りの楽しさを体験できる「おやこ紙切り教室」を開設。日本の伝統芸能を次世代へ繋げるための活動を積極的に行っています。1994年には、クラシック音楽と紙切りのコラボレーションという斬新な試みで、聴覚と視覚の両方を刺激する音楽会を開催。これにより、紙切りの表現の可能性を広げました。

さらに、1995年には劇団「WAHAHA本舗」の公演に参加。異分野とのコラボレーションを通じて、紙切りの表現力をさらに研ぎ澄ましていきました。2006年からは、毎年夏にアメリカ合衆国バーモント州ミドルベリー大学で開催される夏期日本語学校に文化専門員として招かれ、紙切りを通して日本の文化を海外に発信しています。

数々の受賞と活動

二楽の技量は高く評価され、数々の賞を受賞しています。2002年には国立演芸場『花形演芸大賞』で銀賞、2005年には金賞を受賞しました。これらの受賞は、彼の高い技術と芸術性を証明するものです。

また、書籍の挿絵にも携わっており、『父ちゃんは二代目紙切り正楽』（著：桂小南治、うなぎ書房）や『寄席おもしろ帖おかわりっ』（著：長井好弘、うなぎ書房）などで、その繊細かつ力強い紙切り作品を提供しています。

師弟関係と未来

二楽は、後進の育成にも力を入れています。弟子として林家八楽を迎え入れ、伝統を継承していくための指導にあたっています。

林家二楽は、伝統と革新を融合させ、紙切りの魅力を世界に発信し続ける、稀有な存在です。彼の今後の活躍に期待が高まります。

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