林恩宇

林恩宇（リン・エンユウ）

台湾の台南市からやってきた元プロ野球選手、林恩宇は1981年に誕生し、主に投手として活躍しました。彼は右投右打の投手で、特に速球と変化球を駆使してファンを魅了しました。

経歴

誠泰時代

林は2003年にCPBLの代訓選手ドラフトで誠泰コブラズから1位指名を受けて入団し、最初の1年間は練習生として過ごしました。2005年からは正式選手として登録され、新人王、最優秀選手、最優秀防御率のタイトルを獲得。2006年には最多勝（17勝）、最多奪三振（209奪三振）、最優秀防御率（1.73）を達成し、台湾プロ野球界で屈指の成績を残しました。特に、投手三冠王に輝いたのは台湾プロ野球史上で二人目の快挙となりました。また、同年のWBCにチャイニーズタイペイ代表として出場しました。

2006年12月6日、林は日本の東北楽天ゴールデンイーグルスと契約。年俸4000万円、契約金5000万円の2年契約で、彼の日本での挑戦が始まりました。

楽天時代

2007年、林は開幕一軍に名を連ね、先発ローテーションの一角として期待されていましたが、春の練習中に人差し指を負傷し、開幕が遅れることに。4月13日の日本ハム戦で来日初先発を果たし、6回無失点で初勝利を挙げます。しかし、その後は適応の課題に直面しました。特に、日本の気候と文化に馴染めず、調子を崩してしまい、5月にファームに降格。しかし9月に一軍に復帰し、最終的には8試合に登板しましたが、1勝3敗、防御率3.63という成績でした。さらに、同年のプレ五輪では台湾代表として韓国戦に先発しました。

2008年は一軍登板がなく、第2回WBCには辞退。2009年も一軍での出番がなく、11月に戦力外通告を受けました。その後、12球団トライアウトに参加したものの、契約を結ぶ球団は見つかりませんでした。彼は12月30日の中華職棒年度ドラフトで兄弟エレファンツに1位指名で入団しました。

兄弟・中信時代

2010年には2試合の登板にとどまり、防御率は6.52と苦しいシーズンを送ります。2013年にはコーチ職のオファーを受けますが、これを辞退しました。

選手としての特徴・人物

林は最高151 km/hの速球を持ち、スライダーやフォークなどの変化球も得意としています。また、彼は誠泰時代に同じく楽天でプレーした左腕投手・林英傑とともに「雙林（ダブル・リン）」と呼ばれるほどのエースコンビでした。

彼の愛称「小鶏（シャオチー）」は、大学時代の先輩のあだ名から名付けられたものです。スタンドに掲げられる応援ボードには「小鶏加油」と書かれることが多く、ファンからも愛されています。背番号29は、彼自身が希望していた背番号11がすでに他の選手に取られていたことから決まったもので、その理由も独特です。

入団時には「先発で7勝以上、防御率3点以内」という目標を掲げ、母国の国旗をグラブに刺繍するなど、熱い思いを持ってプレーしました。座右の銘には「簡単に自分を許さない」という一貫した姿勢が見受けられます。特技はUFOキャッチャーという意外性も彼らしい一面です。

詳細情報

彼の通算成績やタイトルは、プロ契約を結んだ誠泰・楽天・兄弟エレファンツでの選手生活を通じて、多面的にその才能を証明しています。たくさんのファンに愛され続けている林恩宇は、台湾プロ野球の歴史に名を刻む重要な選手の一人といえるでしょう。

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