林春秋

林 春秋の生涯と政治キャリア

林春秋（リム・チュンチュ）は、1912年3月8日に中国の旧満州、具体的には吉林省延吉で誕生した。彼は1930年代に抗日パルチザンの活動に参加し、その後、政治家としての道を歩み始めた。1945年には朝鮮共産党の平安南道書記に任命され、周保中の依頼で中国に戻り、吉林省安図県の専員として活動を開始。この時期、彼の政治的な影響力は次第に増していった。

1948年3月からは延辺行政督察専員公署での仕事を経て、延辺地委副書記に就任。これにより彼は地域の民族問題に対処するための立場に立つこととなる。1949年1月21日に開かれた民族工作座談会では、彼は「延辺を北朝鮮に帰属させることが朝鮮人の問題を根本的に解決する」と主張し、その意見が広い支持を受けるかどうかについては議論の余地があった。

民族工作座談会の後、彼は延辺での職を失い北朝鮮に戻ることになる。1950年6月には江原道の党委員会委員長に就任し、朝鮮戦争の混乱の中でも重要な役割を果たした。しかし、同年12月21日、党中央委員会全体会議において彼は「後退についての準備が不十分であった」という理由から批判を受け、一時的に失脚する。

その後、林春秋は1957年5月から駐アルバニア大使を務めるが、1972年12月には中央人民委員会書記長に就任し、北朝鮮の政策において再び重要な役割を担うようになった。1980年10月、彼は党中央委員および党政治局員に選出され、さらには1983年4月から国家副主席に任命される。彼の政治経歴は、多くの政治的変遷を経ながらも、北朝鮮の統治体制における重要な位置を占めていた。

林春秋の政治キャリアは、彼自身の野心や周囲との関係性によっても影響を受けつつ、北朝鮮の政治の動きにも大きな影響を与えた。彼は1988年4月27日に死去し、その生涯において数多くの功績を残した。彼の政治的な足跡は、北朝鮮の歴史を理解する上で欠かせない要素である。

参考文献

• - 鈴木典幸「林春秋」著、和田春樹・石坂浩一編『岩波小辞典 現代韓国・朝鮮』岩波書店、2002年。ISBN: 4-00-080211-9。
• - 和田春樹『北朝鮮現代史』岩波書店〈岩波新書〉、2012年。ISBN: 978-4-00-431361-8。
• - 李海燕『戦後の「満州」と朝鮮人社会 越境・周縁・アイデンティティ』御茶の水書房、2009年。ISBN: 978-4-27-500842-8。

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