林稔幸

林 稔幸（はやし としゆき）氏は、1979年12月21日に茨城県で誕生した、社会人野球界で顕著な足跡を残した元外野手です。右投右打。

経歴

茨城県の土浦日大高校を卒業後、東都大学野球リーグ二部に所属する立正大学へ進学しました。大学時代はチームが東都二部に留まっていたため、甲子園や大学選手権といった全国的な舞台に立つ機会は得られませんでした。しかし、4年次の春季リーグでは、二部ながら驚異的なシーズン9本塁打を記録し、その非凡な長打力で注目を集めました。

大学卒業後、2002年に社会人野球の強豪、富士重工業（現在のSUBARU）に入社。長距離打者としての潜在能力を高く評価され、ルーキーイヤーからチームの主軸打者として重要な役割を任されました。

入社2年目の2003年には、第74回都市対抗野球大会予選からバットが火を噴き、本大会ではチームをベスト8進出に導く活躍を見せました。さらに2005年の第76回都市対抗野球大会では、他のチームを補強する形で住友金属鹿島の選手として出場し、ここでもチームの8強入りに貢献しました。

2006年の第77回都市対抗野球大会では、チームは不運なエラーが響き1回戦で敗退しましたが、同年の秋に開催された第33回社会人野球日本選手権大会では、打率.474という高いアベレージを記録し、チームを15年ぶり2度目の優勝へ牽引しました。この大会での活躍は特に目覚ましく、最優秀選手に次ぐ大会優秀選手（外野手部門）に選出されたほか、打撃成績トップに贈られる打撃賞も受賞しました。このシーズンの功績が認められ、自身初となる社会人ベストナインの外野手部門にも輝きました。

その後も社会人野球のトッププレイヤーとして活躍を続け、2007年には第78回都市対抗野球大会で優秀選手、第34回社会人野球日本選手権大会でも優秀選手に選ばれています。社会人ベストナインには、外野手として2006年、2007年に連続して選出され、さらに2016年には指名打者として3度目の受賞を果たしています。また、社会人野球の代名詞である都市対抗野球大会には、2011年に10年連続出場を果たし表彰されています。

長きにわたる社会人野球での輝かしい実績と功績が評価され、2019年7月6日には日本野球連盟によって「社会人野球 平成ベストナイン」の一員として選出されました。同年8月、18年間もの長きにわたりチームの顔として主軸を担ってきたSUBARUを退部し、現役生活にピリオットを打ちました。

現役引退後、2021年11月からは古巣であるSUBARUのコーチとしてチームに復帰し、後進の指導にあたりました。2024年シーズンをもってコーチを勇退しています。

日本代表キャリア

国際舞台でも日本代表として活躍しました。

• - 第37回IBAFワールドカップ（2007年）
• - 第16回アジア競技大会野球日本代表（2010年）
• - 第39回IBAFワールドカップ（2011年）
• - 第26回アジア野球選手権大会日本代表（2012年）
• - 第17回アジア競技大会野球日本代表（2014年）

主な表彰・タイトル

• - 第33回社会人野球日本選手権大会 打撃賞、優秀選手（外野手）（2006年）
• - 第78回都市対抗野球大会 優秀選手（外野手）（2007年）
• - 第34回社会人野球日本選手権大会 優秀選手（外野手）（2007年）
• - 社会人ベストナイン 3回（外野手：2006年、2007年／指名打者：2016年）
• - 都市対抗野球大会10年連続出場表彰（2011年）

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