林谷浩二

林谷浩二

林谷浩二（はやしだに こうじ）は、日本の元検察官であり、現在は弁護士として活動しています。大阪地方検察庁特別捜査部に在籍していた際、障害者郵便制度悪用事件の捜査を担当しました。

経歴

広島県広島市出身。1991年に広島城北中学校を卒業、1994年に広島城北高等学校を卒業後、1997年に司法試験に合格し、1999年に慶應義塾大学法学部法律学科を卒業しました。検察官として、大阪地方検察庁、東京地方検察庁、東京地方検察庁立川支部などに勤務し、2013年9月10日付で検察官を辞職。その後、弁護士に転身し、広島弁護士会に登録、横谷法律特許事務所に所属しています。また、日本刑事政策研究会の会員としても活動しています。

障害者郵便制度悪用事件と取り調べメモの問題

林谷浩二が関わった障害者郵便制度悪用事件は、厚生労働省の関係者らが関与したとされる不正事件です。林谷は、この事件の捜査において、関係者の取り調べを担当しました。しかし、公判において、証人らが検察官面前調書の内容を否定したため、調書の信用性が争点となりました。弁護側は、取り調べの状況を明らかにするため、取り調べメモの開示を求めました。

取り調べメモの廃棄

林谷は、2010年3月18日に行われた村木厚子の第14回公判において、取り調べ時に作成したメモについて、「関係者のプライバシーが書かれている上、わたしにとって必要がないので廃棄した」と証言しました。しかし、弁護側は、取り調べメモが証拠開示の対象となるべきであると主張し、林谷の行為を証拠隠滅ではないかと追及しました。林谷は、「証拠開示の対象であることは分かっていた」としながらも、「そうは思わなかった」と答えました。

最高検察庁は、2008年に取り調べメモの取り扱いについて、各地検に通知し、取り調べ状況が争われる可能性がある場合は、取り調べメモを公判担当検事に引き継ぐことなどを求めていました。しかし、その一方で、「必要性の乏しいものは安易に保管しておくことで、開示を巡る無用の問題が生じかねない」として、廃棄も容認する見解も示していました。最高検察庁の報告書では、林谷のメモ廃棄は、通知の趣旨に反するとは認められないとされましたが、取り調べメモの不存在が裁判に影響した可能性も否定できないと指摘されています。

法廷での証言

林谷は、村木厚子の公判において、取り調べメモの廃棄理由や取り調べ状況について証言しました。メモを廃棄した理由について、「私にとって必要ないから」と説明し、証拠開示の対象になることは認識していたものの、重要なものではないと判断したと述べました。また、取り調べにおいて大声を出すこともあったと証言し、その理由について、「被疑者が事実と違うことを言うから」と説明しました。

主な担当事件と著作

林谷浩二は、障害者郵便制度悪用事件の他に、様々な事件を担当しました。また、「矯正職員のための法律学講座」などの著作も発表しています。これらの著作を通じて、刑事政策や矯正行政に関する研究成果を発信しています。

関連項目

障害者郵便制度悪用事件
村木厚子
前田恒彦
大坪弘道
佐賀元明
國井弘樹
* 遠藤裕介

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