國井弘樹

國井弘樹

國井弘樹（くにい ひろき）は、日本の検察官、外交官として知られる人物です。彼の経歴は、大阪地方検察庁特別捜査部での勤務から、法務省法務総合研究所での国際協力、そして外務省在ミャンマー日本国大使館一等書記官へと広がっています。

障害者郵便制度悪用事件

國井氏の名前が広く知られるようになったのは、大阪地検特捜部での障害者郵便制度悪用事件の捜査です。この事件では、村木厚子や関係者に対する取り調べを担当しました。しかし、取り調べメモの破棄や、村木厚子に対する強圧的な取り調べが問題視され、偽証及び証拠隠滅の罪で告発される事態となりました。結果的に不起訴となりましたが、法務大臣からの減給処分や戒告を受けるなど、厳しい処分が下されました。

村木厚子の取り調べにおいては、國井氏が村木の話を十分に聞かず、自身の考えるストーリーを一方的に説明し、自白を強要したとされています。また、和歌山毒物カレー事件を引き合いに出し、冤罪の可能性を示唆するなど、精神的に追い詰めるような言動もあったとされています。

取り調べメモの廃棄についても、最高検察庁の通知に反する行為であると報道されました。しかし、最高検察庁の報告書では、國井氏の行為は通知の趣旨に反するものではないとされています。ただし、取り調べメモの不存在が裁判に影響を与えた可能性も指摘されています。

事件後

事件後、國井氏は法務省法務総合研究所国際協力部教官に異動し、独立行政法人国際協力機構長期派遣専門家としてミャンマー連邦共和国連邦法務長官府チーフリーガルアドバイザーを務めました。その後、福岡地方検察庁検事、福岡[[高等検察庁]]検事を経て、再び法務省法務総合研究所教官、外務省在ミャンマー日本国大使館一等書記官として活躍しました。

大阪地検特捜部主任検事[[証拠改ざん事件]]

國井氏は、大阪地検特捜部主任検事[[証拠改ざん事件]]にも関与しています。前田恒彦からフロッピーディスクのデータ改ざんを打ち明けられたにも関わらず、報告が遅れたとして批判されました。公判では、当時の上司からの指示についても証言しています。

その他の事件

2007年には、さいたま地検熊谷支部で暴力団組長の取り調べを行った際、指名手配中の組員に電話をかけることを許可するという不適切な行為がありました。この件については、口頭注意のみで懲戒処分は行われませんでした。

主な担当事件

障害者郵便制度悪用事件
松橋事件（再審開始決定に対する即時抗告意見書を作成）

主な著作

國井氏は、法務総合研究所において、国際協力や法整備支援に関する論文や報告書を多数発表しています。

「日本の法整備支援活動の紹介：韓国法制処主催『第1回アジア立法関係専門家シンポジウム』にて」（法務総合研究所国際協力部）
国際研修「日本・ミャンマー法制度比較共同研究：連邦法務長官・連邦議会(下院)法案委員長外招へい」（法務総合研究所国際協力部）
国際研究「日本ミャンマー司法制度比較共同研究：連邦最高裁判所長官ほかミャンマー裁判官招へい」（法務総合研究所国際協力部）
国際研究「ミャンマービジネスロー講演会2012 講演録の掲載について 」（法務総合研究所国際協力部）
出張報告「ミャンマー現地調査報告：ミャンマー法曹界の実情」（法務総合研究所国際協力部）
「海外の刑事政策と日本 米国における外国公務員贈賄罪をめぐる諸問題について」（罪と罰 ４５巻４号）

ミャンマーの法整備支援

法務総合研究所において、ミャンマーの法整備支援を担当しています。

國井弘樹氏は、検察官としてのキャリアの中で、数々の重要な事件に関与し、その功績と批判の両面を持つ人物と言えるでしょう。

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