枢密院議長 (イギリス)

枢密院議長について

枢密院議長（Lord President of the Council）は、イギリスにおける国務大官の第4位に位置づけられる、重要な閣僚職の一つです。この役職は、イギリス国王の諮問機関である枢密院の事務局を管轄する役割を担っています。

歴史

枢密院は15世紀初頭にその起源を持ち、テューダー朝時代以降には国政の中心機関として機能しました。枢密院は複数の枢密顧問官によって構成され、国王に対する助言を行う役割を担っていました。

初めて枢密院議長に任命されたのは、記録によると1530年の初代サフォーク公爵チャールズ・ブランドンです。名誉革命後、議会政治と政党政治の発展に伴い、枢密院議長は政権交代ごとに交代する閣僚職となりました。しかし、時代が進むにつれてその役割は縮小し、1899年に教育委員会が枢密院から独立したことで、その影響力はさらに小さくなりました。

当初、枢密院議長は貴族院議員が務めるのが伝統でしたが、1854年に庶民院議員のジョン・ラッセル卿が第4代アバディーン伯爵ジョージ・ハミルトン＝ゴードン首相に強く求められて就任したことで、この伝統が初めて破られました。その後も貴族院議員が就任することが多かったものの、1930年代からは庶民院議員が就任することも増え、現代では庶民院院内総務が兼務することが一般的となっています。

大学のビジター

枢密院議長は、以下の大学でビジター（英語版）という役職を務めています。

バーミンガム大学
ブリストル大学
ハル大学
インペリアル・カレッジ・ロンドン
キール大学
リーズ大学
レスター大学
リヴァプール大学
ロンドン大学
ノッティンガム大学
レディング大学
シェフィールド大学
サウサンプトン大学
サセックス大学
ウェールズ大学

歴代枢密院議長

歴代の枢密院議長については、1702年以前と1702年以降で分けられて記録されていますが、詳細については割愛します。

脚注

注釈

特筆すべき注釈はありません。

出典

以下の文献を参考にしました。

参考文献

君塚直隆『イギリス二大政党制への道　後継首相の決定と「長老政治家」』有斐閣、1999年
神戸史雄『イギリス憲法読本』丸善出版サービスセンター、2005年
マリオット, ジョン 著、占部百太郎 訳『英国の憲法政治』慶応義塾出版局、1914年

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