柏原駅 (大阪府)

柏原駅：大和路線と道明寺線が交差する歴史深い駅

大阪府柏原市上市一丁目に位置する柏原駅は、西日本旅客鉄道（JR西日本）大和路線（関西本線）と近畿日本鉄道（近鉄）道明寺線の2路線が乗り入れる、歴史と利便性を兼ね備えた共同使用駅です。JR西日本の駅番号はJR-Q27、近鉄の駅番号はN17となっています。JR西日本が駅業務の管轄を担当しており、ICOCA（JR西日本）、PiTaPa（近鉄）といったICカード乗車券にも対応しています。スルッとKANSAI対応カードは、自動券売機で乗車券に交換することで近鉄線でも利用可能です。

歴史：明治時代からの軌跡

柏原駅の起源は、1889年（明治22年）に開業した大阪鉄道（初代）の駅に遡ります。当初は湊町駅（現在のJR難波駅）からの終着駅でしたが、その後、路線延伸や経営統合などを経て、現在のJR大和路線と近鉄道明寺線の駅へと発展を遂げました。

特に、1932年（昭和7年）の亀ノ瀬トンネル崩壊による関西本線運休の際には、柏原仮乗降場が設置され、近鉄大阪線を利用した代替輸送が行われたという歴史的なエピソードも残っています。

JR西日本としての歴史を振り返ると、1974年に貨物営業が廃止され旅客駅となり、1987年の国鉄分割民営化を経てJR西日本の駅となりました。1998年には自動改札機が導入され、2003年にはICOCAが利用可能となり、2007年には橋上駅舎が完成するなど、時代の流れとともに駅は進化を続けています。2023年にはみどりの窓口が営業を終了し、みどりの券売機プラスが導入されました。

近鉄線は1898年（明治31年）に河陽鉄道線の駅として開業、その後、河南鉄道、大阪鉄道を経て、1944年（昭和19年）に近畿日本鉄道の駅となりました。

駅構造：島式ホーム2面4線

柏原駅は島式ホーム2面4線の地上駅で、橋上駅舎を備えています。1番のりばが近鉄道明寺線、2～4番のりばがJR大和路線のホームとなっています。1番のりばは近鉄列車2両分（約45m）、2番のりばはJR電車6両分（約125m）、3・4番のりばはJR電車8両分（約165m）の有効長があります。改札内にはトイレ、多機能トイレも設置されています。八尾駅が管理する直営駅ですが、近鉄の駅業務はJR西日本に委託されています。ただし、駅名標は近鉄仕様となっています。

駅周辺：充実した生活圏

柏原駅周辺には、商業施設、金融機関、公共施設、学校などが充実しており、生活に便利な環境が整っています。スーパーマーケットや書店、郵便局、銀行などが駅近くにあり、利便性が高いと言えるでしょう。また、柏原市が運営する無料巡回バス「きらめき号」も駅西口に乗り入れています。かつて存在したダイエー柏原店の跡地には、スーパーヤオヒコが出店しています。

大和路線ダイヤ：当駅折り返し列車と待避列車

JR大和路線のダイヤにおいては、朝ラッシュ時と夕方以降に当駅折り返しの普通列車が設定されています。これは、開業当初は終着駅であったこと、また奈良方面が山間部であり利用客が減少するためです。日中は、快速や直通快速の通過待ちを行う普通列車が運転されています。

かつては日中も当駅折り返し列車が多く運行されていましたが、高井田・三郷方面の利便性向上や、福知山線脱線事故後のダイヤ見直しなどを経て、現在のダイヤ体系が形成されました。また、2008年から2022年まで、当駅始発のJR難波行き快速列車も運行されていました。

利用状況

2022年度のJR西日本柏原駅の一日平均乗車人員は約9814人です。近鉄の利用状況については、統計年鑑などを参照ください。

まとめ

柏原駅は、歴史と現代の利便性を融合させた、地域社会に密着した駅と言えるでしょう。JR大和路線と近鉄道明寺線の接続駅として、多くの利用者に快適な鉄道サービスを提供しています。今後とも、地域の発展とともに、駅も進化を続けることが期待されます。

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