柏原駅 (滋賀県)

柏原駅の概要

柏原駅（かしわばらえき）は、滋賀県米原市の柏原に位置する東海旅客鉄道（JR東海）に属する東海道本線の駅です。駅番号はCA80で、近畿地方の鉄道駅としては最東端に位置しています。また、岐阜県との県境に非常に近く、地域の重要な鉄道拠点の一つとなっています。

歴史

柏原駅の歴史は、1883年（明治16年）に遡ります。当初の東海道線は関ケ原から山中に入り、長浜へと向かう形をとっていましたが、大津方面への延長が行われ、途中から現在の近江長岡に直通するようになりました。この経路には25‰という連続急勾配があり、通行が困難な地域があったため、1899年に新しい勾配緩和線が開通し、柏原駅が新設されました。それ以来、駅は重要な交通拠点としての役割を果たしてきました。

特急「つばめ」や「はと」が蒸気機関車で運行されていた時代、柏原駅の通過時刻は国鉄本社に報告され、遅れた場合は乗務員が叱責されることもありました。そうした緊張感の中で、乗務員は時に「マルにしてくれ」といったメモをホームの駅長に投げ渡すこともあったといいます。

重要な年表

• - 1900年（明治33年）：国有鉄道東海道線に新設開業し、一般駅として機能を開始。
• - 1960年（昭和35年）：貨物の取り扱いを停止。
• - 1984年（昭和59年）：荷物の取り扱いを廃止。
• - 1987年（昭和62年）：国鉄分割民営化により、JR東海の駅となる。
• - 1993年（平成5年）：JR全線切符売り場が営業を開始。
• - 2019年（平成31年）：ICカード「TOICA」の利用が可能に。

駅の構造

柏原駅は島式ホーム2面4線を有する地上駅です。ただし、通常は外側の2線は使用されず、互いのホームは跨線橋で繋がっています。駅は大垣駅に管理されており、公益財団法人米原市シルバー人材センターが乗車券の発券業務を担当しています。TOICAは簡易改札機を用いて対応しており、自動改札機や自動券売機は設置されていませんが、マルス端末は置かれています。

のりばの概要

• - 1番線：下り待避線。貨物列車などの待避に使われ、定期旅客列車は発着しない。
• - 2番線：下り本線。
• - 3番線：上り本線。
• - 4番線：上り待避線。こちらも飲食列車の発着はない。

ダイヤ

柏原駅に停車する普通列車は全て大垣発着で、平日の日中は上下線ともに1時間あたり2本が停車しています。また、朝と夕方には特別快速、新快速、快速が運行されており、夜間は米原行きの区間快速も運行されています。土曜や休日には、朝に追加の区間快速が運行されます。

利用状況

2018年度の平均乗車人員は274名で、これは東海道本線では最も少ない数字となっています。地元の「滋賀県統計書」でもその実績が示されています。

駅周辺の環境

柏原駅周辺には特筆すべき市街地が見当たりませんが、南側には旧中山道が通っており、旧中山道柏原宿跡には小さな商店が点在しています。駅の利用者にはちょっとした休息所にもなるでしょう。

同名の駅

「柏原」という名称の他の駅も存在しますが、それぞれ読みが異なるため注意が必要です。例えば、大阪府の「柏原駅」は「かしわら」、兵庫県の「柏原駅」は「かいばら」となります。なお、1968年までは信越本線の北しなの線に柏原駅（「かしわばら」）も存在しました。

隣の駅

• - 関ケ原駅 (CA79)：特別快速や新快速が停車する駅。
• - 近江長岡駅 (CA81)：こちらも特急が停車する駅です。

柏原駅は、長い歴史を持ち、様々な鉄道の変遷を見守ってきた重要な駅として、今後も地域の交通に貢献していくことでしょう。

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