柏木雄介

柏木雄介: 日本の国際金融界の重鎮

柏木雄介（かしわぎ ゆうすけ、1917年10月17日 - 2004年8月27日）は、関東州（現中国）の大連市に生まれた日本の大蔵官僚であり、特に国際金融において卓越した知識と経験を持つことで知られています。その功績には、従三位勲一等瑞宝章を受章したことが含まれています。

人物背景

柏木は、横浜正金銀行の大連支店で次長を務めた父、柏木秀茂と母、きよのもとに生まれました。幼少期をロンドンやニューヨークで過ごし、国際的な視野を持つようになりました。1941年に東京帝国大学法学部を卒業し、大蔵省に入省します。この時の同期には、後に外相となる鳩山威一郎など多くの著名な同僚がいました。

柏木は大蔵省内でアメリカや国際金融に精通した官僚として評価され、そのキャリアは順調に進展しました。1968年に新設された財務官というポジションは、彼のために設けられたとも言われており、その英語力は特に際立っていました。彼が日本人であると信じてもらえなかったエピソードもあるほどです。

職務経歴

彼のキャリアの中では、1971年に鳩山が事務次官に就任した際、慣例に従い財務官を退任し、その後は大蔵省の顧問に就任しました。その後、横山宗一に招かれ東京銀行に入社し、1977年には同行の頭取となります。

大蔵官僚としての特徴の一つは、1971年のニクソン・ショックに際し、外国為替市場の通常運転を主張したことです。当時、政府の中には市場の閉鎖を求める声が強かったものの、柏木の主張は実現しました。その結果、通常通りの開場を維持しましたが、市場は投機によって混乱することになりました。

柏木の晩年に近い2010年には、沖縄返還直前の1969年にアメリカと結んでいた密約が発覚しました。これは、日本が連邦準備銀行に巨額の無利子預金を行うという内容でした。

学歴と業績

1941年に東京帝国大学を卒業した後、すぐに大蔵省に入省。彼のキャリアはさまざまな重要なポジションであり、その中には、為替局の局長や国際金融局の局長などが含まれます。彼はまた、書籍『激動期の通貨外交』や『戦後日本の国際金融史　柏木雄介の証言』などを通じて、彼の知見を広めています。

家族

彼の家族には、駐アメリカ特命全権大使である藤﨑一郎の妻と子どもたちが含まれています。彼の子どもたちもそれぞれの分野で活躍しており、影響力を持っています。

結論

柏木雄介の生涯は、日本の外交や金融戦略における重要な転機を形作ったといえます。その国際的な視野と卓越した能力は、後世にわたって評価され続けています。彼の影響は今なお感じられ、多くの後輩にとっての道標となっています。

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