鳩山威一郎

鳩山 威一郎: 政治家の軌跡

鳩山威一郎（はとやま いいちろう、1918年11月11日 - 1993年12月19日）は、日本の著名な政治家であり官僚であった。彼は正三位勲一等の位を受けており、内閣総理大臣を務めた鳩山一郎の長男として知られている。威一郎の家系は政治の世界と深く関わっており、祖父は第6代衆議院議長の鳩山和夫であり、母方の祖父には右翼団体の貴族院議員も含まれている。彼の息子には、元首相の鳩山由紀夫や鳩山邦夫がいる。

幼少期と学歴

東京都文京区に生まれた威一郎は、筑波大学附属小学校、旧制府立高等学校を経て、1941年に東京帝国大学法学部法律学科を首席で卒業した。彼はその後、高等試験行政科にも見事合格し、大蔵省に入省する。

官僚としてのキャリア

大蔵省では専売局書記として勤務し、まもなく海軍に召集される一方で、彼は短期現役士官としての任務にも従事した。1946年に大蔵省に復帰後、主計局や経済企画庁の長官官房長、理財局長などのポジションを歴任し、1971年には大蔵事務次官に就任する。1972年、田中角栄首相の日本列島改造論を支える形で、大型予算を組むことに関与。しかし、これが後の物価高騰の一因となり、批判を受けることとなる。

政治家としての活動

1974年には大蔵OBとして参議院全国区に立候補し、初当選を果たす。その後は中曽根派、無派閥を経て渡辺派に所属し、1976年には福田赳夫内閣の外務大臣に抜擢された。しかし、健康問題が影響し、政界での活躍は限られた。在任中は3期18年を務め、1992年には政界を引退する。

家族と私生活

鳩山威一郎は、結婚してからは私生活においても重要な役割を果たした。彼の長女は井上和子であり、長男の由紀夫、次男の邦夫と共に家族の絆を深めていく。お酒を好み、特にウィスキーの水割りを得意としたという逸話も残っている。若いころには同僚や後輩を家に招いて水割りを提供することもあった。

晩年と死去

1986年、鳩山由紀夫の初当選に際して、威一郎は病気がちであったが、息子たちの支えを受けながら国会の階段を登る姿が印象に残っている。1993年12月、75歳で死去し、その墓所は谷中霊園にある。彼の政治家としての足跡と家族の影響は、今なお日本の政治シーンに影を落としている。彼の生涯は、政治や官僚制度の歴史と深く結びついており、彼の活動は日本の近代史において重要な意味を持つ。

参考文献とリンク

彼の人生についての詳細は、早川隆の『日本の上流社会と閨閥』や『追想 鳩山威一郎』、さらに『日本近現代人物履歴事典』に記載されている。これらの文献は彼の業績や家族背景を深く掘り下げており、興味深い情報源と言える。

もう一度検索