柏進

柏進（かしわすすむ）氏は、1972年3月16日に東京都で生まれた日本の俳優です。170cmという身長を持つ彼は、日本体育大学の体育学部で学び、卒業後、俳優としてのキャリアをスタートさせました。

彼の家族もまた、メディアや芸術分野で注目される存在です。父親は著名なスポーツジャーナリストである柏英樹氏で、長年にわたりプロ野球界のレジェンドである長嶋茂雄氏や王貞治氏の番記者を務めてきました。また、叔父にはロック歌手で、「サルサガムテープ」というバンドを主宰しているかしわ哲氏がいます。このような、ジャーナリズムと音楽という異なる分野で活躍する家族を持つ環境で育ちました。

俳優としての活動は多岐にわたりますが、特に舞台での活躍が目立ちます。テレビドラマにおいても、1990年代半ばからキャリアを積み重ねています。NHKでは1995年の「照柿」、1997年の大河ドラマ「毛利元就」に出演。民放各局の作品にも多数参加しており、CBC系の「愛がほしい」「家族曲線」、NTV系の「家族の48時間」「盲人探偵・松永礼太郎」、フジテレビ系の「星屑の町」、テレビ東京系の「それぞれの断崖」、TBS系の「ぼくが地球を救う」などに出演し、存在感を示しました。また、2004年には日本テレビ系の「火曜サスペンス劇場」にも登場し、2007年、2008年にはTBS系の連続ドラマ「キッパリ！」シリーズで鴨下毅役を演じています。テレビアニメへの参加経験もあり、2000年には「こちら葛飾区亀有公園前派出所」で進行係の声を担当しました。

舞台活動は、柏進氏のキャリアの中核をなすものです。様々な劇団やプロデュース公演に参加し、そのキャリアは非常に豊富です。初期には劇団夜想会や星屑の会といったカンパニーの公演に多数出演しました。劇団夜想会では「はつかねずみと人間」「ハムレット」「十二夜」「同期の桜」「墓場なき死者」「三人姉妹」など、シェイクスピア作品から現代劇まで幅広く演じ、星屑の会では「クレージーホスト」「ある晴れた日の自衛隊」「次郎長漫遊記」「ストロベリーハウス」「星屑の町」シリーズといった話題作に出演しました。特に「星屑の町」シリーズにはテレビドラマ版と舞台版の両方で参加しています。

2000年代以降も精力的に舞台に立ち続け、WAKUプロデュースの公演や、明治座、新橋演舞場といった大劇場での商業演劇（「居残り佐平次」「丹下左膳」「人情喜劇 火焔太鼓」）にも参加しました。彼の代表的な出演舞台シリーズとしては、「bambino」シリーズが挙げられます。2006年からスタートしたこのシリーズでは、時田（マネージャー）役として多くの公演に参加し、好評を博しました。また、コント形式のオムニバス舞台である「コントンクラブ」シリーズにも複数回出演しています。

さらに、大型ミュージカル「abc★赤坂ボーイズキャバレー」シリーズでも重要な役柄を演じました。このシリーズの本公演およびスピンオフ公演に、利根川渡役として長期にわたり出演し、作品を支えました。2012年には利根川渡としての一人芝居も複数回開催しています。自身名義での一人芝居にも挑戦し、「プロフェッショナル〜僕のビフォーアフター〜」「銀河鉄道の夜」などを上演しました。

2013年からは自身の名を冠した企画「Susumu Kashiwa Presents」や「柏進プレゼンツ」を展開し、様々なテーマでの公演を行いました。近年は自身のプロデュースユニットであるWATARoom produceとしても活動しており、「中野喫茶室」「vivid contact」シリーズ、「4649」、「-芸祭-」など、意欲的に作品を発表しています。また、劇団S.W.A.T！の公演にも参加し、マリカという役でシリーズ出演するなど、特定のカンパニーへの継続的な参加も見られます。2024年には宮下涼太プロデュースの舞台への出演も控えるなど、現在も精力的に俳優活動を続けています。

テレビ、アニメ、そして特に多様な舞台作品で幅広い役柄を演じ分けることで、俳優としての確固たる地位を築いています。ジャーナリズムと音楽という異なる分野で活躍する家族の影響を受けながら、自身の演技の道を切り拓いてきた俳優と言えるでしょう。

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