柔道整復師

柔道整復師について

柔道整復師（じゅうどうせいふくし）は、業として柔道整復を行うことができる日本の国家資格であり、この資格を持つ専門家のことを指します。この職業は、打撲や捻挫、脱臼、骨折などの怪我を外科的手術や薬物治療によらずに回復させることを目的とした施術を行います。医業類似行為として位置付けられ、具体的にはあん摩・はり・きゅう・柔道整復の4種の医業類似行為に所属します。この業務は、厚生労働省により、医師の判断が伴わない「医行為」でないとされ、一定の資格を有する者のみが行うことができます。

業務内容

柔道整復師は急性期の損傷に対して施術を行うため、特に「骨折、脱臼、打撲、捻挫」などが多く取り扱われます。施術では、関節や骨を正しい位置に整復し、そこを固定する技術を用います。また、手技療法や運動療法、物理療法なども含まれていますが、重篤な状況では医師の同意が求められることがあります。柔道整復師はレントゲン装置の使用が原則禁止されているため、施術の範囲も緊急の処置に限定されます。

養成制度

柔道整復師になるためには、3~4年間の専門教育を受ける必要があります。この教育機関は厚生労働省と文部科学省の管轄下にあり、様々な形態（専門学校、短大、大学、夜間学校など）があります。養成施設数は年々増加し、2002年から2012年にかけて柔道整復師数も大きく増加しました。しかし、定員に対する入学者数は減少傾向にあり、教育の質向上が求められています。

試験

資格を得るための国家試験は1993年から実施されており、毎年全国で開催されます。受験に際しては、柔道整復師養成施設での最低3年のカリキュラム修了が求められ、試験科目には解剖学や生理学など多様な分野が含まれています。ただし、合格率は低下しており、受験生への厳しい挑戦が続いています。

勤務状況

近年、柔道整復師の多くは独立開業を目指して施術所を設立していますが、病院や診療所、介護関連事業所などで雇用される割合も増えています。このような多様な勤務環境において柔道整復師が果たす役割は、医療現場や治療の選択肢においても重要性を増しています。

特記事項

柔道整復師は、全国で約58,573人が就業しており、施術所数も増加しています。これにより、患者に対する柔道整復のニーズも高まっています。また、WHOでは柔道整復師を「Judo Therapist（柔道セラピスト）」と定義しており、国際的にもその存在が認知されています。なお、顎関節脱臼に関しては、歯科医業に従って業務が行われるため、医師の同意が必要です。

結論

柔道整復師は怪我の治療において重要な役割を担っており、専門的な知識と技術を持っています。今後もその専門性を活かして、医療現場でのさらなる発展と患者への貢献が期待されます。

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