柳原 (長野市)

長野市柳原地区の詳細解説

柳原地区は、長野市北東部に位置し、千曲川を隔てて須坂市と隣接する地域です。この地域は、狭義には大字柳原を指しますが、広義には大字村山、大字小島を含む旧柳原村の範囲を指します。本稿では、この広義の柳原地区と、かつて存在した柳原村について詳しく解説します。

地域名の由来

「柳原」という名前は、この地域で古くから使われていた庄名に由来するとされています。荘園名としての確かな資料は残っていませんが、荘号として用いられていました。最初に記録に登場するのは、1606年の水内郡荒瀬原・舟竹村の名寄帳です。また、明治初期の『町村誌』には、善光寺平周辺の村々の由来を「古くは柳原庄に属し」と記述しています。この地域が低湿地帯であり、柳の木が多かったことも、その名の由来の一因と考えられています。

人口動態

柳原地区の人口は、令和5年3月1日現在で2,887世帯、6,715人です。明治初期から第二次世界大戦前までは人口の増加はわずかでしたが、戦後、疎開者や引揚者の定住、分家などにより増加しました。1959年には柳原駅前に市営住宅が建設され、国道の開通や排水機場の設置により、1965年頃から住宅地として注目されるようになりました。1970年代には県営住宅や雇用促進住宅などの高層住宅が建設され、人口は急増しました。しかし、2000年頃をピークに、近年は徐々に減少傾向にあります。

人口推移

以下に、1889年から2020年までの人口推移を示します。

1889年: 1,573人
1900年: 1,811人
1910年: 1,872人
1915年: 2,161人
1920年: 1,733人
1925年: 1,836人
1930年: 1,833人
1935年: 1,864人
1940年: 1,914人
1947年: 2,322人
1950年: 2,368人
1955年: 2,343人
1960年: 2,334人
1965年: 2,409人
1970年: 3,027人
1975年: 4,040人
1980年: 5,959人
1985年: 6,658人
1990年: 6,677人
1995年: 7,380人
2000年: 7,483人
2005年: 7,332人
2010年: 7,195人
2015年: 7,205人
2020年: 6,786人

地理

柳原地区は、千曲川を境に須坂市と接しており、長野市東端に位置します。地域の中央部では国道18号と国道406号が分岐し、交通の要衝となっています。また、長電バス長野営業所があり、バス路線が集まるため、県内でも有数の交通渋滞が発生する場所です。地域中央部には長野電鉄柳原駅を中心に区画整理された住宅地が広がっていますが、外縁部には農地が多く残っています。

河川

千曲川

歴史

旧柳原村の歴史

江戸時代: 村山村、布野村、中俣村、小島村は松代藩領でした。
1870年: 小島村、中俣村、布野村、里村山村の4ヶ村組合立の巡回学校が開校（現在の柳原小学校）。
1876年: 布野村と中俣村が合併し、柳原村が誕生。
1889年: 町村制施行により、村山村、柳原村、小島村が合併し、新たな柳原村が発足。
1926年: 長野電気鉄道線（現 長野電鉄長野線）が開通し、柳原駅が開業。
1954年: 柳原村が長野市に編入され、旧村山村域は大字村山、旧柳原村域は大字柳原、旧小島村域は大字小島となりました。

長野市柳原の歴史

1958年: 大字柳原に長野市消防局中央消防署柳原分署が開署。
1966年: 国道18号長野バイパスが開通。
1983年: 長野電鉄長野バス営業所が東和田から大字村山に移転。
2010年: 長野市役所柳原支所が、大字柳原から大字小島に移転し、柳原総合市民センターとなりました。

大字ごとの詳細

小島（こじま）

柳原地域西部に位置する地区です。長野電鉄長野線や県道374号が地区内を走り、国道18号がかすめます。地区南部と北東部に住宅地が広がり、その他は農地が中心です。人口は997世帯、2,357人（令和5年3月1日現在）です。

交通

鉄道: 地区内に駅はありませんが、東部で柳原駅、西部で附属中学前駅が利用できます。
路線バス: 国道18号を走る長電バスの路線が利用できます。

施設

長野市柳原総合市民センター
長野市役所柳原支所
長野市東部文化ホール
長野市営柳原体育館
長野市立柳原小学校
竹村製作所 本社
長野銀行 柳原支店
水内坐一元神社

村山（むらやま）

柳原地域北東部に位置する地区です。千曲川が東端を流れ、須坂市と接しています。長野電鉄長野線や国道406号が地区南部を走り、国道18号が西端を、県道368号が東端を通ります。千曲川を挟んで対岸にも村山地区があり、かつては一つの村でしたが、洪水により分断されました。人口は183世帯、478人（令和5年3月1日現在）です。

交通

鉄道: 地区内に駅はありませんが、南部で柳原駅が利用できます。
路線バス: 長電バス本社・長野営業所があり、以下の路線が利用できます。

施設

長電バス 本社
長野営業所
竹風堂 アップルライン店
村山神社

柳原（やなぎはら）

柳原地域中央部に位置する地区です。千曲川が南東端を流れ、須坂市と接しています。南東部が大きく突き出しており、これは千曲川の河川敷です。長野電鉄長野線、国道18号、国道406号が地区中央部を走っています。おおむね国道18号を境に、中俣区と布野区に分かれます。中俣区には柳原駅を中心に住宅地が広がり、北部には工場や倉庫が集まっています。布野区は北部に集落があり、南部は農地が広がっています。

交通

鉄道: 長野電鉄長野線 柳原駅
路線バス: 国道18号を走る長電バスの路線が利用できます。

施設

中俣

長野電鉄 柳原駅
ながでんウェルネス ながでんハートネット柳原・柳原あやめの里
長野信用金庫 柳原支店
アメリカンドラッグ 柳原店
太田屋 やすらぎ館長野柳原店
羽生田鉄工所
長野市消防局鶴賀消防署 柳原分署
北信米油 本社
ほおずき書籍 本社
中俣城跡
中俣神社
神武天皇遥拝所

布野

ホクト 柳原きのこセンター
長野県営住宅柳原団地
* 古野神社

まとめ

柳原地区は、その歴史的な背景、地理的な特徴、そして交通の要衝としての役割から、長野市にとって重要な地域です。住宅地、農地、商業施設が混在し、多様な顔を持つこの地区は、今後もその変化を続けていくでしょう。

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