柳家小満ん

柳家 小満ん

柳家小満ん（やなぎや こまん）とは、落語家の名跡で、日本の伝統的な芸能を受け継ぎながら現代にもその魅力を伝える存在です。現在の三代目は落語協会に所属しており、豊かな芸風を展開しています。

歴史の沿革

この名跡の初代が誰であるかは確定されていませんが、通常、飯泉真寿美の小満んを2代目として捉える考え方が主流です。初代柳家小満んは1856年に生まれ、元々は芸者出身の芸人でした。1880年代から1910年代初頭まで、清元節などを用い寄席で活躍したとされています。本名は金沢 まんです。

その後、柳家小満んは別の二名に引き継がれ、それぞれ独自の活動を行いました。特に、歌沢寅小満（旧名：梅村 わか）は、その幅広い音曲の技術で人気を博しました。

二代目の登場

二代目柳家小満ん（1882年 - 1972年）は、元落語家で百面相の芸人として知られています。本名は飯泉真寿美で、初めは天狗連に所属し、浜九里の名で活動を始めました。1910年代には二代目三遊亭圓遊に入門し、その後、三遊亭遊喬の名を学びました。数十年にわたる旅巡業の後、家庭の事情で東京に戻り、蝶花楼七郎の下で蝶花楼花蝶に改名、その後1934年に柳家小満んと名乗るようになりました。彼は視力に問題があったにもかかわらず、実在の人々の特徴を巧みに捉える才能で知られました。1955年頃に高座から引退しました。

三代目の継承

現在の三代目柳家小満ん（1942年生まれ）は、落語協会に所属する落語家で、本名は栗原理です。神奈川県横浜市で生まれ、高校を卒業後、八代目桂文楽に入門しました。1965年には二ツ目に昇進し、その後5代目柳家小さんの門下に移籍。1975年に真打に昇進し、三代目としての名跡を襲名しました。

1969年から始めた独演会「柳家小満んの会」は、2019年には300回を迎え、その活動は長年に渡って続いています。また、彼は自身の落語を文字に記録し、自費出版するなど、積極的な情報発信も行っています。

芸風と受賞歴

三代目柳家小満んは、古典落語から新作落語まで多様な演目を持ち、特に「出来心」で1973年にNHK新人落語コンクールで最優秀賞を受賞した実力者です。彼の芸風は、観客に親しみやすさと楽しさを提供し、今も多くのファンを魅了しています。

まとめ

柳家小満んは、世代を超えた才能が受け継がれ、伝統を大切にしながらも新しい表現を追求している落語家の名跡です。日本の芸能文化に欠かせない存在として、彼らの活躍はこれからも続いていくことでしょう。

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