柳川城

柳川城の歴史と特徴

概要

柳川城（または柳河城）は福岡県の柳川市本城町にかつて存在した日本の城で、別称は舞鶴城です。この城は、江戸時代には柳川藩の藩庁が置かれた重要な歴史的所在地であり、現在本丸は国の史跡に指定されています。

柳川城は、蒲池治久によって築城され、城下町は現在の柳川市の原型となりました。城の名称の舞鶴城は、その美しいシルエットから名付けられています。城の構造は平城であり、寛政3年（1791年）の「御家中絵図」からは、外堀に囲まれた本丸と二の丸が東西に並び、その周囲に三の丸が取り囲んでいる様子がうかがえます。また、三の丸には立花一門や家老の屋敷などが存在していました。

この城は天然の要害として、無数の堀が縦横に交わっており、現在も柳川の堀川としてその姿を残しています。このため、柳川城は九州で有名な難攻不落の城として知られるようになりました。

建物と遺構

柳川城は本丸南西隅に、石垣に囲まれた天守が築かれていました。幕末や明治期の文献によれば、天守は5重5階の層塔型で、雨戸で覆われた内縁高欄を備え、その他の天守と似た特徴を持っていたと考えられています。しかし、明治5年に失火により焼失してしまいました。

また、絵図によると本丸には二重櫓と三重櫓が存在し、多聞を付属した二重悬もあったとされています。藩主が生活や執務をするための本丸御殿もありましたが、江戸後期以降の大奥機能は城外の別邸に移されていました。

遺構としては、明治5年に発生した火災によって多くが焼失しましたが、天守台や石垣、堀などが柳川城本丸跡として残っています。特に天守台は「へそくり山」と呼ばれ、運動部員のトレーニング場として利用されています。また、同じ場所には詩人北原白秋の句碑が建立されています。さらに、石垣が他の用途へ転用されたり、門が移築されるなど、歴史的資産は地域の中でさまざまな形で受け継がれています。

歴史

柳川城のルーツは承平6年（936年）頃、藤原純友の乱に際して築かれた砦に遡りますが、実際の築城は蒲池治久によるものであり、その後に蒲池氏が筑後の大名となりました。この城は戦国時代においても重要な拠点であり、龍造寺隆信や鍋島直茂といった大名たちが攻めても落城させることができないほどの守りを誇りました。

豊臣秀吉による九州征伐後、立花宗茂が城主となり、その後、城は数度の城主変遷を経ました。江戸時代には田中吉政が城主となり、その後も立花氏に受け継がれました。明治以降も増改築が行われ、迎賓館や日本庭園が整備されるなど、周囲とともに歴史を刻んできました。

アクセス

柳川城は、西鉄天神大牟田線の西鉄柳川駅から西鉄バスに乗り、最寄りの「柳川高校前」バス停で下車し徒歩でアクセス可能です。または、九州自動車道のインターチェンジから車での訪問も容易です。近年では、柳川城の復元が求められる動きも見られています。

もう一度検索