立花氏

立花氏：武家から華族へ

立花氏（たちばなし）は、日本の武家であり、華族としても知られる氏族です。その起源は、南北朝時代に大友貞宗の三男である貞載が筑前国に拠点を築き、立花を称したことに始まります。この系統は「大友立花氏」とも呼ばれます。立花氏の歴史は、戦国時代から江戸時代、そして明治維新後の華族制度へと変遷を遂げました。

歴史

道雪以前の立花氏

立花氏の始まりは、大友貞載が筑前国の立花山城を拠点としたことに遡ります。その後、大友氏の重臣として勢力を拡大しましたが、立花鑑載の時代に毛利氏に内通したことが原因で、大友義鎮（宗麟）に背き、同じく大友氏の支流である戸次鑑連（後の立花道雪）によって攻め滅ぼされました。これにより、鑑載の子である立花親善の代で、この系統は一度断絶しました。

道雪以前の主な当主

立花貞載
立花宗匡
立花親直
立花親政
立花宗勝
立花鑑光
立花鑑載
立花親善

道雪系立花氏

大友義鎮は、立花氏の旧領に戸次鑑連を入れ、立花氏の名跡を継がせました。鑑連は後に道雪と号し、その名は広く知られています。道雪は男子がいなかったため、娘の誾千代に家督を譲りました。その後、高橋紹運の息子である統虎を誾千代の婿養子とし、立花宗茂と改名させました。

宗茂は豊臣秀吉の九州征伐で活躍し、筑後国柳川に13万2200石を与えられました。また、朝鮮出兵にも従軍しています。

江戸時代

柳川藩主立花家

関ヶ原の戦いで西軍に与した立花宗茂は、所領を没収されました。しかし、大坂の陣での戦功が認められ、1620年に筑後柳川10万9千石を与えられて旧領に復帰しました。関ヶ原の戦いで改易された大名の中で、旧領に戻ることができたのは宗茂ただ一人でした。以降、立花氏は柳川藩主として幕末まで存続しました。維新後、華族の伯爵家に列せられています。

3代藩主立花鑑虎の同母弟である立花貞晟は、旗本として分家しましたが、2代目の養嗣子である清直が藩主家を相続したため、本家が吸収しています。

三池藩主立花家

立花宗茂の実弟である高橋統増（後の立花直次）も、関ヶ原の戦いで兄と共に改易されましたが、大坂の陣での活躍により徳川氏に召し抱えられ、5000石を与えられました。その後、子の代に三池藩1万石を与えられて大名に復帰しました。三池藩は、立花種周の代に若年寄にのぼるも失脚し、一時的に転封されましたが、後に大名に復帰しました。

最後の三池藩主である立花種恭は、幕府の要職を務めましたが、幕府崩壊とともに解雇。戊辰戦争では藩が分裂する事態となりました。維新後、華族の子爵に列せられています。

明治以降

立花伯爵家

最後の柳川藩主である立花鑑寛は、戊辰戦争での功績により、賞典禄を賜りました。版籍奉還後は柳川藩知事を務め、華族に列しました。明治17年の華族令により伯爵に叙されています。戦後、財産税や農地解放の影響を受けましたが、立花家は料亭・旅館「御花」の経営を通じて財産を回復しました。

立花子爵家

最後の三池藩主であった立花種恭は、版籍奉還後に藩知事を務め、華族に列しました。明治17年の華族令により子爵に叙されています。その後、学習院の初代校長や宮内省用掛を歴任しました。

立花男爵家

立花小一郎は、陸軍将校として功績をあげ、大正12年に男爵に叙せられました。

賜姓立花氏

立花氏の家臣の中には、立花氏から姓を賜った家も多く存在します。これには、米多比立花氏、安東立花氏、立花壱岐家、原尻立花氏、薦野立花氏などが含まれます。茶道南坊流の開祖である立花実山もその一人です。

系譜

立花氏の系譜は複雑で、分家や養子縁組によって多くの系統に分かれています。しかし、その中心となるのは大友氏の血を引く立花氏、そして道雪によって再興された立花氏です。各系統がそれぞれ異なる歴史を歩みながらも、立花の名を継承し続けました。

外部リンク

立花家十七代が語る立花宗茂と柳川
武家家伝＿立花氏
柳川　御花
福岡県柳川市

立花氏は、戦国時代から明治維新まで、日本の歴史の中で重要な役割を果たした氏族の一つです。その歴史は、武士としての活躍、大名としての繁栄、そして華族としての新たな展開と、多岐にわたります。

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