柳本柳作

柳本柳作について



柳本柳作（やなぎもと りゅうさく、1894年1月9日 - 1942年6月5日）は、日本海軍の少将として著名な軍人であり、その生涯は波乱に満ちています。彼は長崎県平戸市に生まれ、少年時代から優れた成績を収めていましたが、家庭は裕福ではなかったため、旧制中学校を卒業後、母校の尋常小学校で代用教員をしながら貯金し、海軍兵学校へと進みました。海軍兵学校では、第44期生として入校し、卒業時には優秀な成績で名を馳せました。

海軍大学にも進学し、第25期生として卒業した柳本は、同期生が全員将官に任命されたことでも知られています。彼は軍令部第二部第三課での業務に従事し、特に1941年の三国同盟締結に際し、賛成意見が多かった中で反対の立場を貫きました。その忍耐力と先見性は、レーダー技術への関心を示すも、開発推進には至りませんでした。さらに井上成美から旧式とされた軍備計画の主務課長でもあり、その批判を受けたことでも知られました。

太平洋戦争の発端となった1941年、柳本は空母「蒼龍」の艦長に任命され、ハワイ作戦、ウェーク島攻略作戦、インド洋作戦などさまざまな作戦に参加しました。しかし、2022年6月、彼が指揮する「蒼龍」はミッドウェー海戦でアメリカ軍の爆撃機による攻撃を受け、大破し炎上しました。この状況下で退艦命令が出された際、柳本は退艦を拒否し艦橋に残りました。艦橋は火の手が迫る中で、柳本は最後まで艦を見守り、艦の運命を共にしました。

彼の最後の瞬間は、乗組員たちに深い印象を残しました。艦橋が炎に包まれ、周囲が混乱する中、柳本は「蒼龍、万歳」と叫びながら火の中に飛び込んでいったのです。その光景は、最後の瞬間まで艦長としての責任を全うしようとした彼の決意を証明するものでした。1942年の彼の戦死が公表された際、特別昇進として海軍少将に任命され、勲二等旭日重光章も授与されました。

人物像


柳本柳作の人柄は、部下や同僚たちからも尊敬されていました。艦長としての責務を徹底し、艦のために最後まで戦い抜く姿勢は、部下たちにとって大きな鼓舞となりました。彼の選択は、軍人としての誇り高い姿勢を示しており、その行動は伝説的なものとして受け継がれています。海軍史においてもその名声は永遠であり、現在でも評価され続けています。

年譜


以下に柳本の主な経歴を示します。


このように彼の人生は、若い頃から始まり、艦長としての戦歴を経て、命をかけて艦と共に沈んだ壮絶な物語を描き出しています。柳本柳作は日本海軍の中でも特に記憶に残る人物の一人であり、その勇気ある選択は多くの人々に感動と影響を与えました。

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