柳沢きみお

柳沢きみお - 日本の漫画家

柳沢きみお（やなぎさわ きみお、本名：柳澤 公夫）は、1948年9月26日に新潟県五泉市で生まれた著名な漫画家です。彼の作品としては『翔んだカップル』や『特命係長 只野仁』など多くの人気作があり、特にラブコメジャンルでの活躍が光ります。

来歴

柳沢きみおは、家族が資産家であったため、比較的恵まれた環境で育ちました。彼が漫画家を志望するきっかけは、小学校低学年のころに遡ります。新潟県立村松高等学校を卒業後、和光大学に進学したものの、芸術学科を中退し、1970年には「週刊少年ジャンプ」にてデビューを果たします。デビュー作『ズンバラビン』が掲載されたのは、1970年12月14日の第51号です。

以降、彼は著名な漫画家としての道を歩むため、とりいかずよしのアシスタントを経て、1972年に『負けるな紀三郎』で第4回手塚賞の佳作を受賞しました。そして1973年から1975年にかけて『女だらけ』、その後『温泉ボーイ』を含め、多くの作品を連載しました。

1976年からはフリーランスとして活動の幅を広げ、1976年の5月からは「週刊少年チャンピオン」にて『月とスッポン』を連載し、1977年からは『すくらんぶるエッグ』や『ミニぱと』を発表します。この頃までは、基本的に美少女と冴えない少年の青春を描いたギャグ漫画が中心でした。

1978年から彼はその作風に変化をもたらし、リアルな青春を描いた『翔んだカップル』を連載開始します。この作品は瞬く間にヒットし、映画化やテレビドラマ化もされ、多くのファンを魅了しました。彼はこの作品によってラブコメ漫画家としての地位を確立し、週刊誌や月刊誌を含む多くの連載を持つことになります。

その後の活躍

『翔んだカップル』以降、彼の絵柄は大きく変わり、青年誌や男性誌を中心に活動を続け、『妻をめとらば』『男の自画像』『DINO』『100％』など、さまざまな作品でヒットを飛ばしました。1990年からはエッセイ的要素を加えた『大市民』シリーズが長期連載となり、人気を博しました。

1998年には「週刊現代」で『特命係長 只野仁』をスタートさせ、こちらもまた映画やドラマとして成功を収めました。2011年には自身の漫画家としての軌跡を振り返る自伝『なんだかなァ人生』を出版し、それにより自身の生活や思考を多くのファンと共有しました。

柳沢の作品には情熱や哀愁が漂い、ユーモアが織り交ぜられていることから、同業者からも高く評価されています。特に、つげ義春やジョージ秋山、小林まことを尊敬し、自身のスタイルに大いに影響を受けています。

2022年には彼の漫画家生活50周年を記念して、『柳沢きみお大全集』が電子書籍として配信されるなど、彼の偉業は今なお評価され続けています。

代表的な作品

彼の作品リストには、『女だらけ』や『すみこみ学園』、また代表作の『翔んだカップル』、さらには『特命係長 只野仁』など多岐にわたります。彼の漫画は世代を超えて愛され、多くの読者に親しまれています。

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